疲れている時や、朝シャキッと目覚めたいとき、さらに生理前に無性に食べたくなるという人が多いチョコレート。食べ過ぎると、毛穴詰まりや肌荒れなどの原因、依存症にもなりやすいスイーツでもあります。

 市販のものの原材料表示を見ると、最初に書かれているのは砂糖(これは、1番たくさん使われていることを意味します)。もし選ぶなら、カカオがたっぷり使われている70%以上のものを選ぶようにしましょう。カカオには、体をサビ(酸化)から守ってくれるポリフェノールが豊富に含まれています。

 しかし、カカオが多くても市販のチョコレートは脂質が多く含まれているので、とりすぎには注意が必要です。

ココナツオイルで作るローチョコレート
ココナツオイルで作るローチョコレート

 そこで、今回紹介するのが「ココナッツオイルで作るロー(生)チョコレート」です。ココナッツオイルの“冷えると固まる性質”を利用することで、ココアパウダーと混ぜるだけで生チョコレートができます。

 食べるタイミングは、運動前がベストといえるでしょう。チョコレートだけでは足りない場合が多いですが、補助的に加えることで持続的なエネルギーになります。

中鎖脂肪酸は活動エネルギー源

 ココナツオイルは「中鎖脂肪酸」という種類の脂肪を多く含みます。これは、一般的な油に多く含まれる長鎖脂肪酸と比べて、体に入ると肝臓に運ばれ、素早く活動エネルギーとして使われます。運動前に食べることで、活発に動くエネルギー源となってくれます。

 代謝の経路として、長鎖脂肪酸は静脈やリンパ管を通って脂肪や筋肉、肝臓に運ばれた後、一度分解や貯蓄が行われます。肝臓に貯蓄してあるグリコーゲン(糖質がエネルギー源として一時保存されているもの)がなくなってきたら、そこで脂肪が分解されてエネルギーとして消費されます。つまり、必要に応じて利用されるため、体に脂肪として蓄積されやすくなっています。

 一方、中鎖脂肪酸は静脈やリンパ管を通らず直接、肝臓へ運ばれるため、効率よくすぐに代謝ができるという違いがあります。つまり、摂取後に早く分解されてエネルギーとして早く使うことができるので、長鎖脂肪酸に比べて体脂肪になりにくいという点も中鎖脂肪酸の特徴の1つです。

 さらに、中鎖脂肪酸は運動による乳酸を溜めにくくする、運動を長く続けられることなどが研究でも示されています。この中鎖脂肪酸を多く含むものの代表がココナッツオイルで、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルも活用できるでしょう。

選ぶポイントは純度が高い油

 これらの油を選ぶポイントは、純度が高いもの(不純物や別の油の入っていないもの)、より新鮮で栄養価が高いエクストラバージンのものや、低温圧搾法で絞られたもの(Clod Pressと表記)がおすすめです。

 ココナッツオイルで作るローチョコレートは、基本の材料は3つ。ココナッツオイルとココアパウダーとお好みの糖類です。よりビターに作りたい方は、ココアパウダーを多めに、糖類にもこだわると良いと思います。ナッツやドライフルーツ、ショウガ、シナモンなどお好みで加えてオリジナルなチョコレートを作るのも良いですね。

 バットで作る他に、家にある深皿やシリコンの製氷用のトレー、紙のカップなどに流してもOKです。手で持っているだけですぐに溶けてしまうので、保存は必ず冷蔵庫を利用してください。また、ココアパウダーの代わりにきな粉を使うと、タンパク質もとれてチョコ感も味わえるので補食に活用できます。

 また、ココナッツオイルは常温(24度)で溶けてしまうので、持ち運びには向きませんが、氷とともに保冷バックにいれて持っていくといいかもしれません。