<パフォーマンスアップのための食品の選び方、商品の見極め方(6)>

 前回のコラム「有機野菜、無農薬野菜の見分け方/食品の選び方・見極め方(5)」では、有機野菜、無農薬野菜に関してお伝えしましたが、今回は実際に野菜を購入する時の見極め方をお伝えします。

①旬のものを選ぶ

 野菜には、出盛り期、食べ頃の時期があり、これを昔から「旬」と呼んでいます。旬の食材は美味しく、素材そのものの味を楽しめます。大量に収穫できることから値段も安く、逆に「安い」ことが旬を知るための1つの目安になります。

 また、旬の野菜は栄養価が高いとも言われています。日本は小さいようでいて南北に長く、旬が移動していきます。つまり、地域によって旬は異なるので、野菜の旬は1つではないということです。

 過去に、野菜の旬について検討した「旬の野菜推進委員会」では、

1.消費者が住むそれぞれの地域で
2.もっとも適した時期に
3.無理なく作れるもので
4.食べごろに生産されたもので
5.新鮮で
6.栄養分がいっぱいで
7.安全で
8.おいしい
9.自然環境にやさしく
10.人にもやさしい

を旬の野菜の10カ条として定義しています。

 旬の野菜は栄養価が高く、価格が安く、味がよく、また作るのにも最も適している時期ですので、農薬なども少なくて済みます。こういったところからも旬を知り、旬の野菜をもっと活用したいものです。

 下記に1年間で、特に変動の激しいビタミンCとカロテンに関して最も数値の高い月でみる野菜の旬を示しました。ぜひ参考になさってみて下さい。

栄養価の最大月でみる野菜の旬(女子栄養大 辻村卓「野菜の栄養とビタミンC」より)

=ビタミンC、=カロテン

1月 =グリーンアスパラガス
2月 =ブロッコリー、白菜、キャベツ
3月 =ブロッコリー、キャベツ
4月 =サヤインゲン
5月 =グリーンアスパラガス
6月 =シソ、レタス、サヤインゲン、=ニンジン、シシトウ
7月 =トマト、キュウリ、チンゲンサイ、ジャガイモ、=トマト
8月 =ピーマン、カ=ピーマン、キュウリ、レタス、チンゲンサイ
9月 =シシトウ、カ=シソ、ハクサイ
10月 =ニンジン、カ=カボチャ
11月 なし
12月 =ホウレンソウ、シュンギク、カボチャ、ミツバ、ダイコン、=ホウレンソウ、シュンギク、ミツバ

②野菜の切り口が新鮮なものを選ぶ

 購入する際、茎などに切り口がある野菜は、色が悪くなっていないか、みずみずしさ、ツヤやハリがあるかなどを確認してみましょう。大根や人参など葉がついている野菜は、葉の付け根にハリがあるか状態をチェックしましょう。

③葉付き、泥付き、採ったままのまるごと野菜を選ぶ

 特に土の中で育っている野菜にとっては、育った環境の土がついたまま収穫されると、新鮮さのキープに繋がるそうです。ただ、土がついた状態では雑菌が多いため、食べるときはしっかり洗い流すこと、またビニールの中などで蒸れてしまうと傷みやすいため、より美味しく食べるには採ってからできるだけ早く食べるようにしたいですね。

 葉も鮮度のバロメーターとなるため、ピーンと状態の良い葉が丸ごとついた根菜ほど鮮度が高いといえるでしょう。

ピーマンとチーズの肉巻き~ゴマポン酢
ピーマンとチーズの肉巻き~ゴマポン酢

 今回のレシピは、夏が旬のピーマンを使ったレシピ「ピーマンとチーズの肉巻き~ゴマポン酢」です。チーズがとろけて食べ応えがありますが、大葉とゴマポン酢で食べることで、さっぱりとした味わいです。旬のピーマンは油で調理することで、含まれるβ-カロテンを効率良く吸収できます。ビタミンB1、B2、ビタミンC、タンパク質、カルシウムが摂取できる、夏のスタミナメニューです。