以前、アスリート、特に女性アスリートの適正体重「女性アスリートとしての適正体重、体脂肪は?基準は何?」についてお話しましたが、今回はスポーツする上でとても大切な「鉄」についてお話します。

 鉄が減ると、めまい、息切れ、動悸(どうき)、疲れやすさ、頭痛、生理痛、肌のくすみや目の下のクマなどが、どんどんひどくなっていきます。女性アスリートは、生理+トレーニング(汗からの流失)で、鉄が失われやすい状態になっており、常に貧血になりやすい状況です。

 一般的に鉄不足、貧血の判断は「ヘモグロビン(血色素)」で行われ、多くの病院では
・成人男性:約13~18 g/dl
・成人女性:約12~16 g/dl
が正常値とされています。
(アスリートは男性16.5 g/dl、女性14.5 g/dlを目標にしたいですね。)

ヘモグロビン数値だけでは判断できない

 しかし、「ヘモグロビンの値が正常だから私は大丈夫」と思っている人でも、安心はできません。というのも、ヘモグロビンの値だけでは貧血(鉄分不足)かどうかを正確に把握することができないからです。

 貧血で本当に怖いのは、血液中の鉄以上に、体内にストックされている「貯蔵鉄」が底を尽きることです。この貯蔵鉄は「フェリチン」というタンパク質です。例えば、お財布の中のお金が血液中の鉄だとしたら、銀行預金が貯蔵鉄。生活する上で重要なのは預金としてどれくらいお金が残っているかですが、鉄も同じです。

 フェリチンの鉄が不足すると、新陳代謝がスムーズにいかなくなったり、免疫細胞の数が減ったり、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」や「ドーパミン」などの神経伝達物質が不足して、肌荒れや疲労感のほか、イライラ、うつ、睡眠障害に悩まされることがあります。

鉄不足でアイスや氷を食べたくなる?

 貧血とは診断されないのに体調が悪い場合は、フェリチン不足を疑ってみるといいかもしれません。ちなみに、鉄分が不足すると舌の温度が上昇し、アイスや氷を食べたくなります。

 今のところ、フェリチンについては、通常の健康診断ではほとんど検査は行われていませんが、気になる人は、保険適用外で検査できます。また、貧血が疑われる症状がある場合は保険適用で調べる事もできます。アスリートであれば定期的に調べてみましょう。フェリチンの数値をキープできていれば、からだも心もパフォーマンスが上がることに貢献します。

※生理が止まってしまっている場合は、ヘモグロビンやフェリチンの値は高値になる場合がありますので、その場合は、まずは生理不順を改善する治療を相談しましょう。

高野豆腐のねぎ味噌そぼろ

 今回紹介する「高野豆腐のねぎ味噌そぼろ」は、筋肉に欠かせないアミノ酸のBCAAのほか、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどミネラルが豊富で、アスリートにはもってこいの食材、高野豆腐を使ったレシピを紹介します。普段の食事にちょい足しすることで栄養価がアップします。ぜひお試しください。