ジュニア競泳選手の中で「アレルギー鼻炎」で悩んでいる人はいませんか? 私は子どもの頃、空気の悪い幹線道路沿いに住んでおり、アレルギー性鼻炎になりました。さらにプールの塩素消毒で鼻の粘膜が敏感になり、練習中によく鼻をかんでいました。

現代のジュニア世代、特に小学生は通年性のアレルギー性鼻炎の方が多いと言われています(鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版)。同じ学校の小学生を対象に、アレルギー性鼻炎の有病率を10年ごとに追った研究を見ると、年々増加傾向にあるのも分かります(グラフ参照)。

鼻炎がひどくなると睡眠障害も

アレルギー性鼻炎がひどくなると、日常生活に支障をきたします。特に眠りが浅くなり、睡眠時間が少なくなります。ジュニアスイマーにとって睡眠は成長とリカバリーのためになくてはならない物です。症状はできるだけ軽くしておきたいですね。

食物繊維で善玉菌を増やす

ところで、「腸内フローラを整える」と耳にしたことはありませんか? 私たちの腸内に棲む細菌やその腸内細菌叢(腸内フローラ)が、様々な疾病に関わっている可能性があると注目されています。

アレルギーもその1つです。腸内フローラを整えるには、善玉菌を増やすプロバイオティクスが有効とされていますが、日本人は食物繊維をエサとする腸内細菌、善玉菌が多いと言われています。特別なものではなく、日頃の食事から整えられそうですね。

今回紹介するのは「食べるおなかスッキリスープ」です。ジュニア世代の食物繊維摂取量は目標量よりかなり少ないので、おかずだけではなく、汁物や主食でも意識的に摂りたい栄養素です。

押し麦は食物繊維、発酵食品の白みそで乳酸菌を摂取。多めの具材でよく噛み、消化のスイッチを入れ、胃腸の負担を軽減しましょう。

小麦アレルギーを起こすタンパク質と押し麦のタンパク質の構造は違う物ですが、似ている部分もあります。押し麦は小麦アレルギーがある選手でもアレルギーが出る人と出ない人がいますので、使う前には確認するようにしましょう。

管理栄養士・松田幸子