寒い時に、ホッとする温かい食べ物「豚汁」。家庭だけでなく、給食にもあるおなじみのメニューを、アスリート向けに考えてみましょう。

今回紹介する「ホッとする豚汁」は、「体を大きくしたい」「体重を増やしたい」というスイマー向けのレシピです。成長期のスイマーの食事は「エネルギー量の摂取不足に注意し、ビタミン・ミネラルを必要量摂る」ことが大前提。これを無理なく、誰でもできるポイント3点に絞って考えてみましょう。

(1)汁物で糖質、タンパク質をプラスできるか

動物性タンパク質の豚肉を使用しているので、主菜を植物性タンパク質の豆や豆腐製品で作るとベター。アミノ酸スコア100の食材がしっかり摂れます。また、汁物で糖質を多くしたい場合は、様々な味付けに応用がきくジャガイモが役立ちます。

(2)いつも冷蔵庫にあるような食材で作れるか

具材は豚肉、大根、ニンジン、タマネギ、コンニャク、油揚げ、長ネギ。食べ慣れていない食材を使うと、食がなかなか進みません。普段から見たことがあり、食材の名前を知っている食材をフル活用しましょう。

(3)食材の味が分かり、主食をしっかり食べられる味付けか

具材の数が多い場合、それぞれの風味が生きた汁物が出来上がります。みそはご飯とベストマッチする調味料。シンプルなおにぎりと一緒にお弁当として持っていけば、しっかり食べられます。それぞれの食材の味がぼんやりしている場合は、健康状態の変化が考えられるでしょう。

今回の「ホッとする豚汁」を体形やパフォーマンス維持に利用するなら、豚肉の脂身をなるべく控え、ジャガイモの量を少なめにしてみてください。いつもの料理を「無理のないアスリートの食事スタイル」にすることで「アスリートの食育効果」が生まれます。ぜひお試しください。

管理栄養士・松田幸子