水中での練習時間が長いジュニアスイマーにとって、3回の食事で摂れなかった栄養素とエネルギー量を補給する補食は、とても大切なものです。ジュニアスイマーにとっての補食の目的は、大きく3つに分けられます。

増量
全体な体重増加、筋肉量増加を目的とする。

減量
食事が整わないことで増えた体重を、スイマーとして適正にする。

体重維持
泳ぎに対してボディーバランスが良い状態を保つ。

疲れがとれない、貧血、骨折

練習量が食事量を大幅に上回ると(相対的エネルギー不足)、ジュニアスイマーの体には様々なマイナス作用が生じます。

比較的早い段階で現れるのは「練習が思うようにできない」「疲れがとれない」こと。さらに、男女とも「貧血」、また小学校高学年男子は「骨折」が懸念されます。

中には、補食を摂ると3食が食べられないといった選手や、体重維持や減量でエネルギー量を気にするあまり、補食を摂らない選手がいます。

そのような不安を解消し、食事にあまり響かない「汁物」を補食にしてみてはどうでしょうか? 

「汁物」なら食事にあまり響かない

今回紹介するのは「タラとジャガイモのポタージュ」です。

タラはクセのない魚なので、ミキサーやブレンダーにかけても魚臭さが残りません。通常、ポタージュは牛乳でタンパク質を摂る形となりますが、タラを加えることでプラスアルファの摂取ができます。

エネルギー不足を解消するために、補食として一番摂りたい糖質はジャガイモから。ただ、滑らかにすることでおなかには溜まりにくくなります。カルシウムもしっかり摂取できるので、骨の形成やパフォーマンスアップのための神経伝達も期待できます。

ポタージュは、季節によって温かくも冷たくもできるので重宝な一品です。過度なエネルギー摂取不足は体重だけでなく、体の機能にも悪影響を及ぼすということを覚えておきましょう。

管理栄養士・松田幸子