月経時の練習で、女子選手が訴えてくるものに「フラフラする」「寒い」があります。これは競泳選手でなくても、女性なら1度は体験したことがあるのではないでしょうか。選手だから特別ということではありません。

女性の貧血は、鉄欠乏性貧血が多いといわれていますが、これは鉄とタンパク質から作られるヘモグロビンの鉄が欠乏する状態です。女性は月経がある分、男性より鉄欠乏性貧血になりやすいといわれていますが、アスリートの場合は男性も注意する必要があります。

1995年~2001年に都道府県が実施した国体選手の低ヘモグロビンの割合は以下の数値です(女性アスリート健康支援委員会「アスリートと貧血」参照)。

<男子>
中学生:22.7%
高校生:20.2%
大学生:14.3%

<女子>
中学生: 8.6%
高校生:19.5%
大学生:15.5%

女子も男子も高校生で高い値を示しており、実際に、冒頭に示した女子選手と同じ訴えをする男子選手もいます。

「鉄」だけ摂っても改善しない

この年代は筋肉が増加します。筋肉には「赤い筋肉」と「白い筋肉」があると聞いたことがありませんか? 筋肉の赤色はミオグロビンという色素タンパク質の色で、主に持久力要素がある筋肉に存在します。

つまり、筋肉にも鉄が多く含まれるのです。このことから「アスリートの鉄欠乏性貧血は、鉄摂取だけにフォーカスしては改善しない」ということが分かるでしょう。

年末年始も練習に励むジュニア競泳選手のために「体作りを兼ねたご褒美スープ」
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管理栄養士・松田幸子