夏の大きな大会が目の前にやってきました。試合へ向けて過度な緊張はしていませんか?

 スポーツ現場では「フロー」や「ゾーン」という言葉が使われます。簡単に言うと、「フロー」は集中とリラックスがバランスよく同時に行われている状態で、その先に「ゾーン」という極限の集中状態があります。これらは、普段の生活やトレーニング次第でコントロールが可能と言われています。

脳も疲労、甘いもの欲しくなったら

 そのトレーニングの中でも、食事は重要な役割を果たします。

 練習量の多い選手は、体だけでなく脳も疲労します。疲れたら甘いもの、甘いお菓子やドリンクを摂りたくなりませんか? 甘いものを必要以上に摂ると血糖値が上がるので、体は一定の値にしようと副交感神経の働きを優位にさせます。「フロー」を作るには、交感神経と副交感神経のバランスが大切。つまり、疲れた時に何を食べるのかが課題の1つになります。

味と食感を2種類にし、感覚の刺激も考えた「少しのアレンジで楽しめる2種のポテサラ」
味と食感を2種類にし、感覚の刺激も考えた「少しのアレンジで楽しめる2種のポテサラ」

 今回は「少しのアレンジで楽しめる2種のポテサラ」を紹介します。

 糖質は、主食から摂取することが多いものですが、「甘いもの」が欲しくなったら、「副菜」でも摂ることをおすすめします。

サプリメントより毎回の食事で

 また、抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモン生成に必要なビタミンCの補給も考えましょう。ビタミンCの吸収率は、摂取量が1日に200mgぐらいまでは90%、1日1g以上になると50%以下に体内で調節され、血漿(けっしょう)濃度は1日に約400mgで飽和すると言われています。

 そのため選手は、優先順位として1日1回サプリメントで多く摂取するよりも、毎回の食事で効率よく摂取することを考えます。

 今回のメイン食材であるジャガイモは、糖質が豊富で加熱に強いビタミンCを含みます。2種類の味と食感にすることで、感覚の刺激も考えました。いつものポテトサラダを選手の感覚を養うポテトサラダにしてみませんか?

 さて、このコラムも60回となりました。今後も「スポーツ選手に役立つ」コラムを提供していきますのでよろしくお願い致します。

管理栄養士・松田幸子