疲労臭と腸内環境を検査したところ…

皮膚ガスと腸内フローラの検査は次の方法を用いました。

検査方法とその結果

皮膚ガス(パッシブ・フラックス・サンプラー法)
検査方法=左前腕部に装置を約1時間設置し、皮膚ガスを捕集。関根教授が分析

パッシブ・フラックス・サンプラー法で皮膚ガスを集めた
パッシブ・フラックス・サンプラー法で皮膚ガスを集めた

結果=疲労臭の原因であるアンモニアは、安静時健常者平均値の約2倍を放散していた。一方、ラクトン類はC6~C11までの6種類を測定したところ、桃の香りの主成分であるC10・C11が他のラクトン類に比べて多く放散。10代、20代、30代、40代以降の健常者の値と比べてみたところ、C11の値は20代平均値の3倍近かった。

記者の皮膚ガスの検査結果
記者の皮膚ガスの検査結果

腸内フローラ検査
検査方法=便から腸内細菌叢(ビフィズス菌数)を専門機関が検査

結果=腸内フローラの総合判定は、A~Eの中の「B判定」でやや良好。腸内細菌の多様性は高いとの評価だが、健康で長生きしている人の腸内に多く存在し、「健康長寿菌」といわれるビフィズス菌(酢酸産生菌)とフィーカバクテリウム属(酪酸産生菌)が不足気味と判定された。

記者の腸内フローラ検査「マイキンソー」の結果(一部抜粋)
記者の腸内フローラ検査「マイキンソー」の結果(一部抜粋)

関根教授の見解、検査結果を見て

これらの結果を見た関根教授の見解は次の通りです。

関根教授の見解
皮膚ガスを調べたところ、ラクトン類の中でも特に「桃の香り」のするC10・C11ラクトンが比較的多く放散。C11ラクトンは20代女性平均値の3倍近くにもなり、「体臭」はお若いことがわかりました。ただし、「疲労臭」と呼ばれるアンモニアは、安静時健常者の2倍となり、少しお疲れの様子。腸内環境を調べてみると、善玉菌の「ビフィズス菌」が不足気味のようです。アンモニアの放散はビフィズス菌が少ないと増える傾向にあります。普段からヨーグルトや野菜などを意識してお摂りになっていますが、是非今一度、ビフィズス菌やそのエサとなるオリゴ糖(ラクチュロースなど)、水溶性食物繊維の摂取を心がけ、腸内環境の改善に努めていただければと思います。

ビフィズス菌は加齢とともに減少

桃の香りのラクトンが20代平均の3倍もありながら、ツンと酸っぱいアンモニアが安静時健常者の2倍という“甘酸っぱいニオイ”を放散してしまっているアラフィフの私。腸内環境が悪いわけではないけれど、ビフィズス菌不足が疲労臭に直結するとは思ってもいませんでした。

ここ数年は毎朝、「ヨーグルト+キウイなどのフルーツ+オートミール+はちみつ」を食べ続け、野菜も果物もそれなりに意識して摂っていただけに、ビフィズス菌不足の判定はいささかショック。ただ、ヨーグルトは特定の銘柄ではなく、その日特売価格の無糖無脂肪のものを何となく購入していたので、翌日からは「ビフィズス菌配合」のものを選ぶように努め、はちみつもビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖に変えています。

市販されているヨーグルトすべてに乳酸菌は入っていますが、ビフィズス菌が入っているわけではありません。せっかく食べるヨーグルトも、何を目的に選ぶかどうかで腸内が変わることが分かり、これまで以上に意識して選ぼうと思っています。

残念ながら、ビフィズス菌は加齢により減少する傾向があります。長生きしている人の大腸に多い「健康長寿菌」のビフィズス菌を増やす努力をすることは、健康に生活していくためには大切なことと言えます。

食品など外部から取り入れたビフィズス菌は腸内に定着しづらいため、毎日摂らなければなりません。個人差はあるといいますが、まずは2週間同じものを食べ続けて効果を感じるかどうか、様子をみるといいようです。腸内フローラは2週間あれば劇的に変わるとも言われていますが、逆に言えば、継続しなければ、バランスがすぐ崩れるということです。

「疲労臭」が漂ったら腸内環境に要注意。疲労やストレスが重なる今の時期、生活リズムを整えるとともに、腸内も整えてみませんか。