アスリートはカラダ作りやパフォーマンスアップのために、毎日の食事を「基本の食事の形」に整えていくことが大切です。しかし、アスリート本人の気持ちや心構えを置いておいて、保護者や周囲の人間がガチガチに整えようとすると長続きしません。

栄養的に優れ、おいしく作られた食事であっても1食食べたことで、急に成績が良くなったり、カラダが変わったりするわけではありません。毎回100点満点ではなくても、「毎食整えていく」「継続する」ことで結果につながるからです。

○○はNGではなく、選ぶ力をつけること

「糖質や脂質は敵」のように言われていますが、糖質も脂質もアスリートの食事を構成する大切な栄養素です。エネルギー比率の偏りや摂り過ぎ、種類を選べないことが良くないのであって、糖質や脂質自体が悪いのではありません。

また、食品にはおいしさや食べる楽しみといった2次機能という働きもあります。「スイーツはNG、揚げ物はダメ」と決めつける必要もありません。スイーツなら内容や量に気を付ける、揚げ物なら脂質の少ない部位(ひれやもも肉など)をチョイスするなど、選ぶ力をつけることが大切です。

食事にメリハリをつけ、楽しみながら、アスリートの食事管理を長く継続していきましょう。

写真は「フルーツたっぷりサンド」です。パンは、脂質の少ないロールパンや食パンなどを選びましょう。生のフルーツを加えることで、生クリームの使用量が少なめになり、脂質も控えめになります。

ただし、生クリームは乳脂肪分が低いと泡立ちません。泡立て可能な最低限の35%のものを選ぶと脂質も抑え、おいしく作れます。

このレシピでは、果物はバナナ、柿、ブルーベリーを使っていますが、季節のものや好きなものを選んでください。柿はビタミンCが豊富に含まれています。

エネルギー量は2個分(375kcal)で計算してありますが、1つのみ食べるという選択肢もあります。おやつや朝食にもお試しください。

管理栄養士・石村智子