もうすぐ立春。寒さの中にも春の準備が進められる頃となりました。その頃になると、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎や結膜炎)に悩まされる選手も多くいます。

また、気温も湿度も低いこの時期は抵抗力も落ちやすく、一方でウイルスは活発に飛び回るので、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。予防接種や手洗いとうがい、マスクや花粉対策メガネの着用などでリスクを減らしましょう。

十分な睡眠と栄養

ウイルス性疾患の場合、同じ環境にいてもかかる人とかからない人、発症しても比較的軽い人と重症になってしまう人がいます。これは免疫力の差。免疫力を高めるためには、十分な睡眠と栄養をとることが大切です。

栄養とは、「基本の食事の形」に整え、毎日継続することです。その上で、免疫力を高めるための食材を意識的に摂ると、個人差はあるものの免疫力向上につながると考えます。

まずは、免疫機能の約7割が集中していると言われる腸の環境を整えましょう。腸は栄養素の吸収、ホルモンやビタミンの合成などの働きもするので、アスリートはしっかり整えておくべき内臓と言えます。

乳酸菌、オリゴ糖や食物繊維

腸内環境を整えるためには善玉菌を増やすこと。乳酸菌を含む食品、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を摂取すると良いでしょう。

乳酸菌を含む食品はヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、納豆、ぬか漬け、キムチなど、オリゴ糖は大豆や大豆加工品、タマネギ・ゴボウ・ニンニク・アスパラガス・トウモロコシなどの野菜類、バナナ、リンゴなどに多く含まれ、善玉菌の栄養源となって増殖を促します。

毎日簡単に摂れるものとしてヨーグルトがあります。寒い季節は冷たいものに手が伸びにくくなりますが、適度に温めると食べやすくなります。

写真は「焼きバナナホットヨーグルト」です。乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれているヨーグルトと、オリゴ糖や食物繊維が含まれるバナナの組み合わせは最強コンビですが、温めることによって食べやすくなり、内臓も冷やさないので、寒い季節にオススメの食べ方です。

「ホット」と言っても、菌を死滅させないよう人肌程度に温めるのがポイント。死滅した菌も腸内の善玉菌の活性化に役立つと言われています。朝食、おやつ(補食)、夕食後などにもぜひお試しください。

管理栄養士・石村智子