アスリートの食事は、日頃から基本の食事の形(主食、副菜、主菜、乳製品、果物、汁物)に整えていくことが大切です。今回は、日本人の主食の代表的な「米」「ご飯」についてお伝えします。

「ご飯」は、効率よくエネルギー源となる炭水化物を多く含む食品です。1日に必要なエネルギー摂取量の半分以上を炭水化物から摂ることが望ましいとされています。

1日3500kcalを摂取する場合、1食あたりのご飯の量は約350g(約600kcal)が目安です。1食でその分量が食べられない場合は、補食としておにぎりやパン、麺類などで補いましょう。

栄養価が高い玄米、発芽玄米

一概に「米」「ご飯」と言っても、白米、玄米、発芽玄米、雑穀米など色々な種類があります。玄米は収穫した稲の実からもみ殻を取り除いたもの、白米は玄米を精製した米、発芽玄米は玄米をわずかに発芽させたもの、雑穀米はあわ、キビ、押し麦、黒米、キヌア、アマランサスなど複数の雑穀をブレンドしたものを白米に混ぜたものを言います。

玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維を含み、栄養価が高く、発芽玄米は、それに加えてGABA(ギャバ)を含み、さらに栄養価が高いと言えます。雑穀米は白米に雑穀をプラスしてビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養価を高めています。

消化が良い白米は運動前に

それらに比べて白米は栄養価が低いものの、消化が良いという利点があります。それぞれの特徴を知り、食事の目的に合わせて選びましょう。

例えば、通常の夕食には栄養価の高いものを選択し、試合前や朝食、昼食など、運動前の食事は消化の良い白米にするといった具合です。白米から玄米などに変える時は、個人の消化能力の違いによって、おなかが張るケースもあるので、少しずつ混ぜて使ってみるなど、様子を見ながらにした方がいいでしょう。

「米」「ご飯」はアスリートにとって効率の良い大切なエネルギー源です。食事の目的や選手1人1人に合わせて選択しましょう。

写真は「雑穀米の鶏めし」で、雑穀を加えて栄養価を上げています。

今まで白米ばかりを食べていて、雑穀を苦手に思っている方でも、炊き込みご飯にすると食べやすくなります。具材の鶏肉を大きめにすると食べ応えもあり、一品で主食・主菜・副菜の一部を補うことができます。ぜひお試しください。

管理栄養士・石村智子