成長期真っ只中の子どもたちが運動をする場合、食事から十分にエネルギーをとれている状態で行わないと、発育発達を阻害することがあります。成長期は、骨密度が増えるなど一生を通した身体づくりの基礎ができる時期とも重なるため、エネルギーの確保はとても重要です。

ジュニア期のアスリートが訴える体調不調としては、「頭痛」「貧血」「疲労が抜けない」などがあります。その原因の多くはエネルギー不足、食事量が足りないことと関係していることがあります。

家庭でできるコンディション管理3点

本格的に競技に取り組む前のジュニアのうちから、コンディション管理に対する知識を身に着けておきましょう。家庭でできること3点をお伝えします。

1、練習前に補食をとる習慣をつける

学校から帰ると、すぐにおやつを食べる習慣があるかもしれませんね。まずはこのおやつの内容や量を工夫していきましょう。お菓子ではなく、練習をするためのエネルギー補給、「補食」と意識づけをしていきましょう。

例えば、スナック菓子やチョコレートなどのお菓子を食べていたとしたら、バナナなどの果物やカステラやホットケーキ、おにぎりなど、炭水化物を中心にしたものをとるように意識して習慣化していきましょう。

2、食事量、特に炭水化物の量を増やす

年齢が上がって運動量が増えていくと、食事量を増やす必要があります。具体的には、身長が伸び、体重が増えて身体が大きくなったり、練習や部活などで活動量が増えたりする場合は、特にエネルギー源となる炭水化物の必要量が増えていきます。ご飯やパンなどの主食を増やしたり、おかずにイモ類など糖質を含むものを取り入れたり、補食の回数を増やすなどして、1日における主食量を増加させていきましょう。

3、練習量を増やしすぎない

小学校高学年にもなると、1回の練習時間が長くなり、練習日数が増えるケースが多くなります。複数の競技を平行して行っている場合、1週間を通してオフの日がないという選手もいるようです。

食事量が確保できていたとしても、休息が十分でないとスムーズに成長できないだけではなく、ケガや体調不良のリスクも高まります。競技を1つに絞る、練習を早く切り上げたり休みの日を増やしたり練習量を調整するなどして、休息をしっかりとれる環境作りを真剣に考えていきましょう。

競技力に関係なく、練習時間を調整することや練習量に見合った食事をとることは、これからの競技力向上に大切です。長く競技を続けていく、これから成績やタイムを上げていこうとするなら、成長期の身体作りが非常に重要なのです。指導者やチームとの関係で、練習時間を自分で調整することは難しいと思いますが、エネルギーが足りていない現状があるならば、子どもの将来を考えて立ち止まって考えてみることも必要です。

今回紹介するのは、補食にぴったりな「ハムコーン蒸しパン」です。ホットケーキミックスを使えば、簡単にできますよ! 夏休みにお子さんと一緒に作ってみてはいかがでしょうか。具材をアレンジしてみてもいいですね。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子