運動をするためのエネルギー源として、重要なのは「糖質」です。運動量や活動量の増加に合わせて、使われる分だけプラスしたい栄養素のひとつです。

とはいうものの、そのことをしっかりと理解して、1回のご飯をはじめ主食の量を、練習メニューや活動に見合った量や内容に整えている選手は少ないように思います。

状況に合わせて「足りない」「もう少し食べたい」と感じて追加できる選手だったらよいのですが、「ご飯の量はこのくらい」とあらかじめ決めている選手は、安定的なエネルギーは確保できるものの、気づかぬうちにエネルギー不足に陥っていることがあるかもしれません。エネルギー不足にならないためには練習メニューを理解し、いつもより強度が高かったり、練習時間が長くなったりした時はプラスして補給するようにしましょう。

いつ糖質を補給したらいいのか

では、エネルギー確保のためにいつ糖質を補給したらいいのか、今回は「糖質を増やすタイミング」について紹介します。

練習前の食事で補給する

練習強度がいつもより高いことがわかっていたら、練習前の食事で補給しておきましょう。例えば、練習前の昼食のご飯の量を増やす、果物を増やす、糖質が多いイモ類のおかずを食べるなどです。「練習で使う分のエネルギーを蓄えられている」状態にすることが基本となります。

練習前後の補食で補給する

練習前の食事で糖質をとり切れなかった場合は、練習前の補食で運動に必要な分のエネルギーを補給しましょう。練習開始まで時間がないときは、おにぎりやゼリー飲料、果汁など、すぐにエネルギーに変わりやすい食品がとりやすいですね。

練習後に補給する

運動後にエネルギー補給をする際も、まず優先したいのは糖です。補食としておにぎりなどでもいいですし、なるべく早く食事をとり、糖質もしっかり摂取しましょう。この時、ご飯の量を増やしてもいいですが、たくさんの量を食べられない場合は、うどんやそば、パスタなどの麺類で主食量を増やしてもいいですし、イモ類、糖質が多い野菜など副菜を工夫してもよいでしょう。

まとめると、練習で使われるエネルギーは、事前にとっておくことが基本。食事をそろえる際も、主食を増やすことに加えて、小鉢やスープ、付け合わせなどにイモ類やパスタを活用し、食事全体の糖質を増やしていきましょう。

今回ご紹介するのは「缶詰で簡単!ラザニア」です。ラザニアは市販の乾燥のもの、ホワイトソースは缶詰を利用、ミートソースはトマト缶から作っているので簡単に作れます。ミートソースは市販の缶詰やパスタソースなどでも代用可能です。

ラザニア(シート状のパスタ)には糖質が多く含まれているので、このメニューは主菜でありながら糖質補給もできます。パンやご飯と合わせて、しっかりとエネルギー補給をしていきましょう。ぜひお試しくださいね。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子