アスリートの食事記録を見ると、魚の摂取頻度が少ないことが多々あります。タンパク質を補給するためなら肉や卵などのほかの食品でも十分にとれますが、魚にはそれ以外にも多くの栄養素が含まれているため、是非とって欲しい食品です。今回は魚の栄養の特徴をつかみ、アスリートが活用する際のポイントについてお伝えします

魚の「あぶら」に特徴あり

魚の中でも青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれます。その中でもn-3系と呼ばれるα-リノレン酸、EPA、DHAは動脈硬化を予防したり、LDLコレステロール値の改善や中性脂肪を低下させたり血液状態をよくする働きがあります。

アスリートが特に注目すべきなのはEPA。持久力が上がる、筋損傷の緩和にも効果が期待できるといった研究結果もあるようです。

魚はビタミンDが豊富

魚には、骨強化の働きをもつビタミンDが多く含まれています。ビタミンDは日光を浴びることでも体内で生産できるといわれていますが、食事から摂れば不足のリスクが下がります。魚の中でも特にビタミンDを豊富に含むサケ、青魚や食事に取り入れやすいシラスなどを1日1回はとるようにするといいですね。

小魚はカルシウム補給にも

小魚はカルシウム補給にも役立ちます。乳製品のアレルギーがある場合は、桜エビなどの小魚からカルシウムを補給するのも1つの手ですし、野菜と組み合わせてお弁当のおかずにすると、牛乳がとれない分の補完になります。

魚は調理に手間がかかるため敬遠されがちですが、缶詰を利用すると時短にもなり便利です。最近は魚の値段が高くなっていますが、缶詰は安価のものも多いので手軽に使えます。

今回は、そんなイワシの缶詰を利用した主菜「イワシ缶のパン粉焼き」を紹介します。野菜と缶詰のイワシを耐熱容器に入れて、味付けしたパン粉をかけてオーブン(オーブントースター)で焼くだけの手間いらずの一品です。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子