睡眠中に分泌される様々なホルモン

睡眠中には様々なホルモンが分泌されます。1つ目は「成長ホルモン」です。成長ホルモンはその名の通り、成長を促すホルモンですが、子どもの時だけ分泌されるのではなく、大人になっても分泌されます。傷ついた組織の回復・修復、疲労回復などの作用のほかに、脂肪の分解促進や免疫力を向上させる作用も持っています。

2つ目は睡眠をつかさどる「メラトニン」です。メラトニンは睡眠を促し、眠りのリズムを整えてよい眠りを導きます。また、「活性酸素を中和する」「有害物質を解毒して無害化する」「ガンの予防」など様々な作用があり、体内環境を整えます。メラトニンは朝日を浴びてから約15時間後に分泌されます。

3つ目は坑炎症作用のある「コルチゾール」です。コルチゾールは体温や脈拍の上昇、血糖値の上昇など体内環境を整えます。代謝を促進する作用もあります。

他にも分泌されているホルモンはありますが、この3つのホルモンからも体内のさまざまな機能を正常に保つためには睡眠がカギになっているということがわかります。

睡眠のゴールデンタイムは本当か…

セミナーをやると、「寝る子は育つと言うけれど本当ですか?」「睡眠のゴールデンタイムとは何ですか?」「夜の22時から深夜2時の間に寝ると背が伸びると聞いたのですが本当ですか?」などの質問を受けます。睡眠のゴールデンタイムとは「午後10時から午前2時」の間に「成長ホルモンが最も分泌される」ため、「この時間に睡眠をしっかり取るべきである」という説のことを言われているのだと思います。

睡眠中に成長ホルモンが分泌されることは先述の通りです。しかし、成長ホルモンの分泌は入眠とともに上昇し、約45分でピークを迎えます。しかも、最も眠りの深い「ノンレム睡眠」の時に一番多く分泌されます。

ということは、時間帯が重要なのではなく、熟睡することの方が重要だと言えます。入眠時間は個人個人で異なりますので、それぞれのゴールデンタイムにしっかり熟睡することが重要なのです。

さて今回、紹介するレシピは「ホウレン草の卵とじにゅうめん」です。練習の関係で夕飯が遅くなった時や夜食では、消化が良く睡眠を妨げないものが適しています。消化が良いものといっても、炭水化物やタンパク質はしっかり摂りたいものです。そんな時は温かいそうめんの「にゅうめん」がピッタリです。

そうめんというと、タンパク源や野菜が不足しがちですが、つゆを工夫すればそれも解消できます。そうめんは乾麺なので保存も効きますし、小分けされているので、分量の調整がしやすいと思います。夏は冷たく、冬は温かくと温度を変えたり、炒めたりとアレンジがきくそうめんを活用してみてはいかがでしょうか。

女子アスリート/管理栄養士・佐藤郁子