部活を頑張る中高生を応援するお弁当「部活弁当」。管理栄養士・山口美佐さんが、部活を頑張る中高生を応援するお弁当を紹介します。第1回は「基本の弁当の考え方」。何を、どのくらい入れたらいいのか説明します。

4月からお弁当生活が始まった選手、保護者の方は多いのではないでしょうか。毎日何を作り、持たせたらいいのか、頭を悩ませている方もいると思います。1日の生活の中で1番カロリーを消費するのは、スポーツ系部活動の時間帯。午後の授業の後、しっかり運動するには、お昼のお弁当でエネルギーを補給することが大切です。

人間の体は、食べたものでできています。何を、どれだけとったかで、それぞれ異なります。お弁当は1日3食の中の1回分。心身ともに成長期にある中高生は、勉強やスポーツなどの活躍に、密接に関係しています。

それでは、どんなお弁当がいいのでしょうか。「アスレシピ部活弁当」のコーナーでは、12回に分けてお弁当の考え方を伝えていきます。今回は「基本の弁当編」。①成長期であること②部活に耐えるをポイントに説明します。

お弁当も「基本の6品」

まずは基本の考え方です。スポーツ栄養では、基本の食事を「主食、主菜、副菜、汁物、果物、乳製品」の6品と考え、お弁当であってもこれを崩しません。

・主食(腹持ちの良いご飯をメインに)

「ご飯」はお弁当全体を10と考えたら「4」の割合。しっかり量を詰めましょう
「ご飯」はお弁当全体を10と考えたら「4」の割合。しっかり量を詰めましょう

長時間のトレーニングや、脳を使って戦略を考えるには、エネルギー源となる炭水化物(糖質)が必要です。

・主菜(肉、魚、大豆製品、卵などを2種類以上)

おかずは「豚肉のショウガ焼き」「お好み焼き風卵焼き」「モヤシカレー」「切り干し大根の梅あえ」「アスパラのチーズあえ」と主菜、副菜、乳製品をきっちり入れています
おかずは「豚肉のショウガ焼き」「お好み焼き風卵焼き」「モヤシカレー」「切り干し大根の梅あえ」「アスパラのチーズあえ」と主菜、副菜、乳製品をきっちり入れています

筋肉など体を作るにはタンパク質が必要です。テニスなら強力なサーブを打つ、陸上ならタイムを上げる、野球ならホームランを打つための筋力アップにつながります。

・副菜(緑黄色野菜、淡色野菜、キノコ、海藻、イモ類。特に緑黄色野菜、淡色野菜は必ず入れる)
プレー中も冷静を保ち、脱水などで体を崩すことのないよう体を調整する栄養素、鉄、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが必要です。

・乳製品(チーズなど)
ケガ予防、骨強化のため、神経調節を維持するために必要です。

・汁物(具だくさんみそ汁、スープ)

水分や塩分の補給には汁物が役立ちます。「キャベツのコンソメスープ」
水分や塩分の補給には汁物が役立ちます。「キャベツのコンソメスープ」

発汗によるナトリウムの損失を補うため、水分、塩分を補給します。また汁物の具材にすると、食材を効率よく摂ることができます。

・果物(かんきつ類など)

イチゴはビタミンCが豊富。旬の果物を入れると栄養価も高まります
イチゴはビタミンCが豊富。旬の果物を入れると栄養価も高まります

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