あけましておめでとうございます。今年も、「肩に力を入れずに作れる部活弁当」を紹介していきますので、よろしくお願い致します。

1都3県では緊急事態宣言が出されましたが、学校が始まり、そろそろ日常生活が戻ってきた頃だと思います。部活も再開し、受験生はクラブチームの練習と塾を両立させている人もいるでしょう。日常生活が慌ただしくなる今だからこそ、食事で注意したい3つのポイントがあります。

正月明けの食事で注意したい3点

1.日常食に早く戻す

例年なら年末年始はスーパーなどが営業していますが、今年は営業していない地域も多かったと思います。そのため、事前に購入したものが、今も残っているご家庭もあるでしょう。おせちはもう残り少なくなっているかと思いますが、日持ちするものだと塩分や糖分が多く、少量でエネルギー量は補えてもビタミンやミネラルの摂取不足になります。正月料理の残りを上手に使いながら日常の食事に戻していきましょう。

2.朝食の主食や補食をご飯にする

お正月の「ハレの料理」は、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー比率(※)でも糖質が多くなります。通常ならアスリートにとって糖質を摂るのは良いことですが、相対的に見てタンパク質量が低くなりがちな時は要注意。例えば、パンはおかずが少なくても食べられてしまいます。朝食や補食の際に、タンパク質源のおかずがしっかり摂れるように、主食を選択するようにしましょう。

3.主菜+もう1品タンパク質のおかず

2でも書いたように、この時期はタンパク質を意識的に摂取し、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー比率を適正にしていきたいところ。いつもの副菜や汁物に、タンパク質を含む食材をプラスして調整しましょう。また、作り置きもうまく活用するのも手です。例えば、高野豆腐でそぼろを作っておくと、ご飯のお供やアレンジして別メニューにすることもできます。

できるだけ早く生活も食事も日常に戻したら、冬がシーズンの選手は体調管理を万全にして、ベスト体重とコンディションをキープしましょう。受験生も同様です。脳をしっかり働かせるためには、食事を整えることも大切です。夏がシーズンの選手は、生活を整えたらしっかり練習をして体を追い込みましょう。

今回紹介する部活弁当は、部活帰りや塾帰りに片手(ワンハンド)でさっと食べられ、エネルギー補給できる補食「ワンハンドチャージ弁当」です。帰宅に時間がかかり、夕食が遅い時間になってしまうと疲労回復が遅れたり、睡眠の妨げになったりします。運動や勉強で消費したエネルギー(糖質)と、筋肉のダメージを修復させるタンパク質を組み合わせたお弁当。ポイントは2つあります。

疲れた頭と体を素早く回復させるために

1.おにぎらずで素早く疲れを回復

エネルギーチャージできるおにぎらずは、具材にタンパク質が豊富な卵、鶏ささみを使用。「クエン酸」を多く含む梅を入れて糖質を吸収しやすくし、疲れた頭と体を回復させます。鶏ささみや梅干しは、サラダチキンや練り梅でも代用可能です。

タンパク質が豊富な卵、鶏ささみ、クエン酸の梅干しを入れたおにぎらず
タンパク質が豊富な卵、鶏ささみ、クエン酸の梅干しを入れたおにぎらず

2.体を温め、乾燥に負けないスープ

体が冷えると食欲が落ちることがあります。そのため、一口スープを飲んでからおにぎらずを食べると、胃腸が働き、食べやすくなります。また冬は水分摂取が減ることが多いので、補食にもスープを利用。ショウガをきかせたスープは消化促進の期待大です。

この冬を乗り越えるために、まずは食生活を整え、今年も前に進んでいきましょう。

【管理栄養士・松田幸子】

エネルギー産生栄養素バランス 日本人の食事摂取基準(2020 年版)では1歳以上に目標量が設定され、15~17歳では男女とも、タンパク質(13~20%)、脂質(20~30%)、炭水化物(50~65%)となっている。