日本気象協会によると、2024年夏は平年よりも気温が高く猛暑の夏になると予想されています。高温環境下でのスポーツ活動は体温調節が難しくなり、熱中症のリスクが高まり、食欲低下も引き起こされやすくなります。

夏休みに入ればスポーツ活動の時間や日数も増えることが予想され、それに応じて必要なエネルギーや栄養素も増えます。

「給食なし」の日は「給食あり」の日よりも目標量に適合していない子どもが多いという報告もあるため、スポーツ活動をする子どもの場合、より意識して食事・栄養を摂取しなければ、夏休み期間中の栄養不足はより加速してしまいます。「疲れた」「食べたくない」「おなかが空かない」など、食に対して前向きな行動につながりにくい状況も生じるため、摂取しやすい食品や食べたいと思える食事から栄養がとれるような工夫も大切です。

甘酒に似た発酵飲料「ミキ」

昔から「飲む点滴」と言われている飲料に「甘酒」があります。米と水が麹菌によって発酵することで、でんぷんはブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に分解されているため、消化によく栄養補給ができる食品と言えます。

鹿児島県の奄美大島にも同じような飲料の「ミキ」があります(※1)。米と生のサツマイモが乳酸発酵することでつくられます。

日が進むとヨーグルトのような酸味が出てきて、その酸味の具合で好みも分かれるそうです。古くから伝わる伝統食であり、食欲が低下する夏や風邪の時の栄養補給として飲まれることが多く、島の人にとっては甘酒同様にこれからの季節には摂取しやすい食品として活用できる食品の1つと言えます。

「だれるのをやめる」という鹿児島の文化

また、鹿児島県には“だれやめ”という文化があります。「だれる=疲れる、をやめる」という意味で、「晩酌をして1日の疲れを取る」といった考えから、芋焼酎や黒糖焼酎を日常的に嗜む習慣が県民に根付いています。

お酒を伴う習慣のため大人が楽しむ習慣というイメージがありますが、 “だれやめ”の言葉の由来をたどり、子どもも「ダレたからこれを食べよう!」といって、郷土食の文化に触れるのもよいのかもしれません。

鹿児島の郷土料理でもある「鶏飯(けいはん)」は、いろんな具材をのせてだしをかける料理なので、食欲低下しているときでも食べやすい1品です。郷土料理以外でも、手巻き寿司にして「自分で好きなものを選んで食べる」と工夫すると、楽しみながら自然にとる食材数が増えるのでおすすめです。

鹿児島の郷土料理「鶏飯」
鹿児島の郷土料理「鶏飯」

各地域の食文化や伝統食には、昔からその土地でその時期に食べられている習慣や風習があり、栄養面からも理にかなった知恵が隠れていたりします。夏休み期間中、スポーツ活動だけでなく、食育の一環で郷土食に目を向けてみるのはいかがでしょうか。

今回紹介するレシピは、暑い夏に向けて簡単に作れる「サツマイモ甘酒アイス」です。練習後、身体を冷やしてリカバリーを促す栄養補給としておすすめのアイスです。

甘酒にサツマイモと豆乳を加えて冷やすだけ。甘酒に含まれるブドウ糖やアミノ酸、ビタミンB群と、サツマイモの糖質と豆乳のタンパク質を同時に摂取できます。

サツマイモ以外にも、ビタミン豊富なフルーツなどを混ぜて作ってみても良いでしょう。

サツマイモ100gをブルーベリー50gに変えたアレンジ例
サツマイモ100gをブルーベリー50gに変えたアレンジ例

※1=農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/miki_kagoshima.html)

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美