高校生のインターハイ出場をかけた県予選も終盤にさしかかり、多くの競技で県代表が決定しつつあります。すべての選手がケガや体調不良等のトラブルなく、ベストコンディションで試合に臨めることを願わずにはいられません。

水溶性・不溶性の食物繊維が豊富

今回は、アスリートにはぜひ摂ってほしいキノコ類についてお話しします。

食物繊維を多く含む食品という、ゴボウやキャベツなどを思い浮かべる人が多いかと思いますが、実はキノコも食物繊維がとても豊富です。食物繊維には水溶性食物繊維(水に溶けてゲル化しスムーズな排便を手助けする。腸内細菌のエサとなる)と不溶性食物繊維(便のかさを増し、蠕動運動を活発化させることで排便を促す)とがあり、これらをバランスよく取り入れることが大切です。

体づくりに必要なタンパク源となる肉魚は、それだけでは腸内環境を悪化させやすい食品でもあります。タンパク質を大量に摂るアスリートだからこそ、キノコや野菜、果物等の食物繊維も積極的に摂りたいところです。

また、キノコ類にはビタミンDが多く含まれます。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促進します。強い骨を作るためにもキノコは一役買っているのですね。

キノコの食べ方のポイント

キノコ類を洗って調理している方はいませんか? 実はキノコ類はそのまま調理するのが正解です。洗うことでうまみ成分が流れ出て水っぽくなってしまいます。

また、シメジやエリンギなどの表面に白っぽいカビのようなものが生えた経験はありませんか? これは気中菌糸というキノコが出す菌糸です。菌類であるキノコは生育条件が整うと菌糸を出して子孫を残そうとします。食べても全く問題ありませんが、気になる場合は濡らしたキッチンペーパー等で軽く拭うと取り除けます。

緑色のカビが生えたり、酸っぱいにおいがしたり、べちゃっとしてヌメリが出てきたりする場合は腐敗のサインです。キノコは冷凍保存できる食品です。買ってきたら新鮮なうちに石突を落としてほぐし、冷凍しておくとソテーやスープなど使いたい分だけ使用できて便利ですよ。

今回紹介するレシピは「なめたけ」です。瓶詰めで売られているイメージが強いですが、エノキを調味料で煮るだけで簡単に作れます。

そのままご飯のお供としてはもちろん、「なめたけあえ」にしてもおいしく食べられます。梅干を加えて「梅なめたけ」にしたり、昆布を加えたりと様々なアレンジもできますので、ぜひ家庭の常備菜のひとつに加えてみてくださいね。

ご飯のお供にピッタリ!
ご飯のお供にピッタリ!

※キノコ類は腸内環境を整えてくれる食品ではありますが、消化はあまりよくないため、試合前に大量に摂取することは避けましょう。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子