子どもの「好き嫌い」は親御さんの悩ましい問題の1つです。どんなに考えて食事を作っても、食べてくれなければ栄養素の摂取にはつながりません。

かといって、「どうせ食べないから」と嫌いな食材や料理を避けて、好きな料理ばかりになると、摂れる栄養素も偏ってしまいます。好き嫌い問題は、嫌いなものを食卓に出さなければ解決するので、ついそちらに逃げてしまいたくなりますが、負けずに克服することが子どもの将来につながります。

将来を見据え、食体験を広げる

スポーツをする子どもたちであれば、「いずれプロ選手になりたい」と夢を抱くお子さんや、強豪校に進み、力をつけようとする選手も多いと思います。そのための過程で、成長するにつれて運動量や運動強度が上がり、競技に合わせて体を大きく強くする必要があるために、目的に合わせた栄養補給がより重要になります。好き嫌いなく食べられる選手は様々な食材から栄養素が摂れますので、後に戦略的に食事をとることも可能になります。

好き嫌いにはいろんな種類があります。例えば、「味が嫌い」「色が嫌い」「食感が嫌い」「食わず嫌い」など。ただ、「食嗜好」「食思考(食への関心)」や「食志向(スポーツをするための食の考え方)」は変わります。いろんな形で子どもに食を通した体験や会話をしながら食の幅を広げつつ、好き嫌い克服に打ち勝ちましょう。

そこで、「食思考」や「食志向」を身につける方法として、複数の保護者から聞いた好き嫌い克服術を紹介します。

保護者に聞いた「好き嫌い克服術」

(1)一緒に買い物に行く
 何が食べたい? と聞きながら、食べることへの意欲や関心を沸かせる。 料理を作ったときに「食べたいといった料理だよ」と伝える

(2)一緒に料理をする
 野菜を切りながらビタミンなどの栄養素や食材の組み合わせの話をする。 簡単な作業をお願いして調理を体験させる。

(3)一緒に育てる
 家庭菜園などで野菜などを作る。 自分で育てることで愛着がわき、「嫌い」と言っていた野菜を食べるようになった。

色々な意見の中でも共通していたのが「一緒に」というキーワードでした。どうしても「忙しくて一緒に行うと時間もかかる」「自分でやってしまった方が早いので」という声も多くありますが、お休みの日や少し余裕があるときにはぜひ、お子さんと「一緒に」食に関わる行動をとってみてくださいね。

今回紹介するレシピは「サバそぼろ混ぜ込みおにぎり」です。サバ缶を使った簡単そぼろをごはんに混ぜ込んで握るだけなので、子どもも一緒にできる簡単メニューです。栄養価の高いサバが手軽に摂れるので、補食としてもおすすめです。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美