進学、進級シーズンの4月。新しい環境では、自分でも気づかないうちに体や心への疲労がたまり、その疲労から集中力を欠いてケガにつながってしまうこともあります。今回はスポーツ中に起こるケガと栄養についてお話しします。

半数が「ケガと食事に関係ない」と回答

先日、ある部活動の選手たちにアンケートを行いました。その中で「ケガと食事には関係があると思いますか」という質問に対し、なんと約半数の選手が「関係はないと思う」と回答していました。

スポーツをする上で、「体づくりのために食事や栄養について意識しなければいけない」ということはかなり知られるようになってきましたが、ケガの予防や回復と食事については、あまりつながりがないといったイメージなのかもしれません。

ケガをした時には、回復に必要な栄養素を積極的に摂る必要があります。そのことを理解せず、体の中に修復の材料がないままで闇雲にリハビリだけを頑張っても、回復までの時間が伸びてしまいます。

スポーツ外傷とスポーツ障害

スポーツによるケガは、その発症の仕方によって大きく2つに分けられます。

スポーツ外傷=大きな瞬間的外力によって発症
スポーツ障害=オーバーユース(使いすぎ)や持続的な負荷によって発症

代表的なものをまとめます。

<代表的なスポーツ外傷とスポーツ障害>
スポーツ外傷
・筋肉の症状=肉離れ、筋挫傷など
・骨と関節の症状=脱臼、骨折、捻挫など

スポーツ障害
・筋肉の症状=筋膜炎、筋痙攣など
・骨と関節の症状=オスグッド病、野球肘、疲労骨折、シンスプリントなど

スポーツ障害は、早期に対処しないと長引いてしまい、関節が変形や骨の剥離、慢性的な痛みで日常生活に支障をきたすこともあります。ケガをした時の食事で最も重要なことは「バランスのよい食事を摂ること」です。それに加えて、ケガの種類によっても積極的に摂るべき栄養素があります。

<ケガの種類と摂るべき栄養素>
・筋肉の症状=タンパク質、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンC、マグネシウム
・骨や関節の症状=タンパク質(コラーゲン)、カルシウム、ビタミンD、ビタミンC

これらの栄養素を意識して摂りながら、休養とリハビリを行うことで、体を回復させましょう。

今回は子どもたちにも人気の「アサリとブロッコリーのミルクオニオンスープ」を紹介します。アサリはタンパク質だけでなく鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富な食材です。牛乳でカルシウムアップを狙いつつ、旬の新タマネギとビタミン、ミネラルが豊富なブロッコリーを使って栄養価も高く手軽なスープにしました。今回使った食材以外にもご家庭にある旬の野菜を加えて召し上がってくださいね。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ