今年最後のKAGOSHIMA食×スポーツは、川口が担当します。

皆さん、今年1年をどのように過ごされたでしょうか? 体型や体調に大きく変化のあった人は、変化の起こる前の食事を思い出して、現在と比較してみましょう。体の変化には様々な要因が絡んではきますが、少なからず食事の影響もあるはずです。

腸内環境の改善+食事で体を温める

10月のコラム「免疫力アップのカギを握る腸内フローラ、不溶性・水溶性ともに食物繊維を摂ろう」では、食物繊維をしっかり摂って腸内環境を整えることで免疫力を上げましょうというお話をしました。寒さが厳しくなるこれからの季節は、腸内環境の改善に加えて、食事で体を温めるということが免疫力アップのカギとなります。

「陰陽調和」による食材の分類

マクロビオティックや漢方の世界では、「陰陽調和」が重んじられます。食物をその性質から陰性・陽性で分け、自身の体調に合わせて、食事も陰陽のバランスを整えて「中庸(陰にも陽にも偏らない状態)」に近づけようという考え方です。体が冷えやすい今からの時期は、陽性(体を温める性質がある)の食材をうまく使って冷えを予防しましょう。

これらは陰陽の分類のほんの一部ですが、その土地で採れた旬のものを食べることの大切さがよく分かりますね。暑い夏に旬を迎える食べ物は体を冷やす性質、今からの時期がおいしい根菜類には体を温める性質があります。近頃は技術の進歩で旬がなくなりつつありますが、食物が本来採れる時期に食べることは、体にとっても良い効果をもたらすのですね。

陰性の食材は調理法を工夫して

また陰性の食材も調理法を工夫することで、寒い時期でも体を冷やすことなく食べることができます。具体的には、火を通して調理することで、体を冷やす性質が和らぎます。

また、陰性と陽性の食物を組み合わせて調理することもおすすめです。漢方の世界では男性は体質的に陽性、女性は陰性の方が多いと言われます。冷えやすい女性は、これからの時期は特に意識して体を温めていきたいですね。免疫力を上げて、風邪や新型コロナウイルスに負けず元気に過ごしましょう。

今回のレシピは子どもたちも食べやすく、家族みんなの体を温めてくれる「洋風肉じゃが」です。使う食材のジャガイモ、タマネギ、ニンジンは陽性の食品。煮込み料理なのでホクホクと体が温まります。ぜひお試しください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子