梅雨に入り、毎日じめじめとした日が続いていますね。気温・湿度ともに細菌の繁殖しやすい環境となる今の季節は、食中毒に要注意です。新型コロナウイルスの感染対策として増えたテイクアウトのお弁当やお惣菜を利用する機会もあると思いますが、持ち帰ったらすぐ冷蔵庫に入れ、消費期限内に食べきるよう気を付けましょう。

体調崩せば体力低下、技術も伸ばせない

皆さんは何のために食事を摂っていますか? 「筋肉をつけたい、背を伸ばしたい」。このような目的意識を持って食べている選手は多いと思います。ここに「体調を崩さない強い体を作る」という意識も加えてほしいのです。

1週間、風邪をひいて練習を休むとします。この間、体力的な部分の低下はもちろん、技術面やチームワークの面でもできていたはずの練習が積めないということになります。

ケガとなれば、もっと長くかかることも多いでしょう。毎日元気に練習ができる体を作ることこそ、実は強くなるための近道だと思いませんか?

栄養素も料理も組み合わせが大切

毎日元気に練習できる体を作るためには、体の材料となるタンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルのような微量栄養素が必要不可欠です。前回のコラムで「さまざまな食品を組み合わせよう」と書きましたが、これは微量栄養素をバランスよく摂取するためにもとても効果的です。

例えば、貧血予防に有効な鉄分はレバーに豊富に含まれますが、単に甘辛く煮て食べた場合と、ビタミンCの豊富なニラやピーマンと合わせて炒めた場合とでは、どれだけ体内に吸収されるかが変わってきます。鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで、より吸収されやすくなるのです。

レバーの甘辛煮だけでも、干しエビを加えてカルシウムをアップしたり、ナッツ類で良質な脂質や食物繊維をプラスしたりと組み合わせは無限大です。まずは今夜のおかず、もしくは小鉢の具材を1種類増やすことから始めましょう。

今回紹介するレシピは、色々な種類の野菜がたっぷり入った「夏野菜の揚げびたし」です。素揚げした野菜を、子どもでも食べやすい甘めの合わせ酢に漬け込むことで、食欲のない時にもさっぱり食べられる一皿になりました。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子