卒業の季節になりました。小学生から中学生、中学生から高校生へと、スポーツ活動や習い事も行動範囲が広がってくるのではないでしょうか。

私が指導する中学生女子のバレーボールクラブでは、今春小学校を卒業して新たに加わるメンバーが決まり始めました。彼女たちは、初めは親の運転する自家用車で、または親と一緒に電車で来ますが、数回たつと1人で来るようになります。これも小さな「自立」です。

以前、高校教員をしていた時、就職のための会社見学に行く生徒が電車の乗り方が分からず、乗り間違えてしまったということがありました。その生徒は強豪運動部に所属し、毎週のように遠征に行っていましたが、常に監督の運転する車で移動をしていたことから、1人で電車で移動する機会が少なかったようなのです。指定された場所へ時間通り間違えずに行くということも、経験がないとできません。その生徒の「事件」は考えさせられる出来事として今でも覚えています。

とりわけ小学生から中学生になる時期は、活動環境として大きく変わる時期です。これまで当然だった親の車での送迎が、電車やバスを調べて自分で移動する時期になるととらえましょう。可能な限り、子どもが自ら行動できるよう、段階を追って促していけるといいですね。

私の経験上、ほとんどの場合、保護者の心配をよそに子どもの方から「ひとりで行く!」と言いだし、保護者なしで来るようになっています。親が思っている以上に早く子どもは成長している気がします。

今回は卒業の日に添える「ヨーグルト白玉桜デザート」を紹介します。

ヨーグルトで白玉を作り、白玉さえできれば完成する簡単なデザートです。白玉作りは簡単ですし、出来上がりが分かりやすいので、子どもと一緒に作るのも楽しいメニューです。

3月なら、桜の葉や花の塩漬けがスーパーなどでも手に入りやすいと思います。以前、紹介した「桜の葉の塩漬け」を使っても良いでしょう。

このレシピで使った白玉粉は淡いピンク色がついたものですが、食紅を使ったり、かき氷のイチゴのシロップ(甘さが加わる)なども使えます。栄養素としては、デザートなので炭水化物メインですが、和菓子として脂質が少なく、エネルギーは控えめです。子どもの卒業、進学・進級を祝う食卓に添えてみてください。

管理栄養士・月野和美砂