成長期のジュニアアスリートは日々の食事に加え、活動の前後の「補食」も非常に大切です。「補食」とは、3食の食事でとり切れないエネルギーや栄養素をとること。また、練習や試合後など、すぐに食事がとれない場合に食事以外でとるものを指します。

「どんな補食がいいですか」

セミナーでも「どんな補食がいいですか」という質問をかなり多く受けます。補食の基本は、エネルギーになる糖質の多いものです。

具体的にはおにぎりやパン。パンといっても、中身はせいぜいあんこ程度です。クリームが入っているものや、マヨネーズがこってりついているものではなく、消化吸収が早いものを補食にします。毎日のようにとるものですから、できれば添加物などが含まれていないものが安心ですね。

糖質主体でビタミン、ミネラルも

そんな補食の中で、この秋にこそ加えたい一押し食材が「サツマイモ」。昔は子どものおやつとして、蒸したり焼いたりしたサツマイモは定番でした。

米でもパンでもありませんが、穀類のように糖質が主体のサツマイモは、食物繊維、カリウム、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンE、葉酸、ビタミンCがある「野菜のような」特徴を持つ食材です。通常、熱に弱いビタミンCですが、イモ類のビタミンCは周りをでんぷんに囲まれているため加熱しても壊れにくいという特徴があります。

今回は「サツマイモと細切り昆布の炊き込みご飯」を紹介します。サツマイモは皮の部分に食物繊維やポリフェノールなどが豊富です。その皮を残したままサツマイモをさいの目に切り、そのまま炊き込むシンプルで簡単なメニュー。栄養を逃さず使っています。

米2合に対して使うサツマイモは100g(中サイズの1/2)。レシピでは、1/4をもち米にして少しおこわのようにしましたが、うるち米だけでも大丈夫です。おにぎりにして補食にもできます。

ほくほく系やねっとり系も

さて、今ではサツマイモにも色々な特徴のものがあります。昔ながらのイメージのほくほく系は、金時や紅あずま。最近は「蜜入り」などと言われ、ちょっとしたブームのねっとり系の代表、安納芋。その中間でしっとり系のシルクスイートなど、数多くの品種があります。

私の合宿所のある山梨県北杜市では「あけの金時」という品種を作っており、サツマイモとしての出荷のほか、洋菓子や和菓子の材料としても使われています。

シンプルに蒸したり焼いたりしたサツマイモも、料理の材料にしたサツマイモも、ジュニアアスリートにとってはかなり優秀な栄養源になります。自然の甘さだけで食べられるところも安心ですね。お好きなタイプのサツマイモを選び、「サツマイモと細切り昆布の炊き込みご飯」のほか、色々なメニューを作ってみてください。

管理栄養士・月野和美砂