新生活が始まり間もなく1カ月。生活リズムはできてきたでしょうか。新型コロナ感染拡大のリスクは極力抑えつつも、できるだけ日常生活を回すことが、子どもたちの健全な発育・発達のためにも大変重要だと、改めて感じています。

1年半ぶりの合宿はほぼ個食で黙食

私が指導するバレーボールのクラブチームでは、4月初旬に1年半ぶりに合宿を行いました。宿泊した施設は使用後のシーツや枕カバーのたたみ方が決まっており、清掃も自分たちで行わなければなりません。新中1も含め人数が多くなりましたが、上級生が一生懸命統率しようと努力していました。

食事は食堂で、感染予防対策で座席の間隔を開けて座るので自然と黙食になりました。この姿を見て、新型コロナ発生以前とは違う課題が出てきたように思えます。

他人を意識すること、刺激されることも

以前の合宿では大勢が対面で席を構え、隣り合う仲間の食べ方やスピード、好き嫌いに至るまで全てが見える状態で食べていました。しかし今のスタイルでは、集団でいるにもかかわらず、互いの姿を見られなくなったのです。

見えていたら自然に分かることも、このスタイルでは分かりません。他の子の食べるスピードに合わせて食べることや、自分が嫌いな食材でも他の子は平気で食べている光景を目の当たりにして「自分も食べなきゃ」と刺激されることもないのです。

「人のふり見てわがふり直せ」ということわざがありますが、人のいいところも悪いところも見て「自分はどうか」と振り返ることは大事なことです。しかし、見られないし、学べない。

箸使いや食卓でのマナーをしっかり見てあげて

これは学校生活でも同様でしょう。学校給食でも感染マニュアルに従って座席の四方を開けて食事している今、大勢の中でも「ほぼ個食」になることで、人目を気にしなくなり、以前のような効果が薄まることが予想されます。

成長途上の子どもたちの箸使い、食べる姿勢、ごはんやおかずを器に食い散らかさずスマートな食べ方ができているかなど、保護者や指導者がよりしっかりと見てあげることが必要だと思います。

今回紹介するレシピは「ゆでタケノコとエビの楽ちんあっさり炒め」です。エビは高タンパク低脂肪な食材。ボイルならあらかじめ殻をとって売られているので、即調理ができます。

ゆでタケノコには細胞の新陳代謝に欠かせない栄養素、亜鉛が含まれています。コンディションを整える食物繊維は不溶性、水溶性ともに非常に多く含まれます。

忙しい中で食事を作ることはエネルギーがいります。ここは無理せず、エビもボイルされたもの、タケノコも水煮を買って簡単に炒めてしまいましょう! それでも十分に、春らしい旬の味を感じられます。

食事でエネルギーを使い果たすのではなく、家族での食事の場面で子どもたちの食べ方や箸使い、きれいにスマートに食べられているかをぜひ、見てあげてください。

管理栄養士・月野和美砂