「ガパオライス」といえば、タイの調味料で独特の味と香りを持つナンプラー(魚醤)を使用します。以前、「玄米を使ったガパオライス」を紹介した際もお伝えしましたが、このナンプラーを好きなアスリートは多いのです。

しかし、あれから少し年月がたった今、最近はなんと「ガパオライスならナンプラーを使った料理を食べられるけど、あのにおいは苦手」というアスリートが増えてきたのです。

当時と契約している競技やチーム、選手が変わっていることもありますが、年代によるところが大きい気がします。つまり、「若手」と呼ばれる年齢が低いアスリートはナンプラーが苦手という傾向があるのです。

若手は「いつも食べているもの」を選ぶ

今の「若手」は新しいものや珍しいものよりも、いつも食べているものを選ぶ傾向があるとも感じています。ガパオライスも「チームで提供する食事で初めて食べた」という選手もいたぐらいです。

今では、外食する店も一層多様化し、海外の料理のお店も増えました。これまでであれば冷凍や加工されたものでしか見られなかったような食品が、普通にスーパーで売られています。先日は「ココナッツが果物売り場に手ごろな値段で置いてあった」と見つけたアスリートが興奮して話していました。

そんな中で、新たなものを食べようとしないのは、アスリートの「食べる好奇心」に違いがあるだけでなく、食事を用意する方の料理にかける時間が2分化していることも影響している気がします。共働きの家庭が増え、特に夕食の調理にかける時間が短い家庭が増えてきたということも、背景にあるのではないかと思います。

さて、今回は「ゴボウのガパオライス」を紹介します。ゴボウの食感が良く、食べ応えがあります。作ってすぐに食べられますし、作り置きもできるのでまとめて作っておくと便利です。

2人分でゴボウ200gとたくさん使用しています(標準的なサイズで1本約150g)。食物繊維がしっかりとれるので、腸内環境を良くしたり、体脂肪を落としたいときなどに活用できるメニューです。

あく抜きはさっと短めに

ゴボウを調理するときは水にさらしてあく抜きをしますが、アスリート向けの料理でゴボウを使うときは、あく抜きはさっと短めにしましょう。あくの主成分は「ポリフェノール」ですので、抗酸化作用が高いのです。

管理栄養士・川端理香