食品に、どのような栄養素がどのくらい含まれているのかは、文部科学省が5年に1度全面改訂している「日本食品成分表」によって調べることができます。現在、2478食品が掲載されており、2020年版(八訂)には新たにアスリートもよく取り入れているキヌアやエゴマ、チアシードなどが加わっています。

米や卵など頻繁に食事に使われる食品は、定期的に分析が行われていて、成分の変化が確認されています。「(食品の栄養素は)ネットで検索すればすぐわかるよ」と言うアスリートもいますが、古い成分表がそのまま掲載されていたり、更新されていなかったりする情報を鵜呑みにするのは要注意です。日本食品成分表には、調理による食品の変化も掲載されています。

さて今回紹介するのは、だいたいのご家庭の冷蔵庫にある野菜を使ったレシピです。ジャガイモ、タマネギ、ニンジン…とくると、「カレーしか頭に浮かばない」というアスリートにすすめている「ポテトとタマネギとハムのグリル」です。

ジャガイモの毒性と発がん性物質に注意

ジャガイモはエネルギーとなる糖質だけでなく、ビタミンCも比較的多いのが特徴。ジャガイモのビタミンCは加熱による損失が少ないことでは有名です。

ジャガイモで注意しなければいけないことは、緑変した皮と発芽部分に含まれる毒性のあるソラニンやチャコニンです。これは皮を厚くむき、芽の部分をしっかりとるという処理が大事です。また、冷蔵庫で保存している場合、一度常温においてから調理することで、高温加熱で発生する発がん性物質(アクリルアミド)を抑えることができます。

こういった話は、学問では「食品学」という分野になりますが、一般の方も覚えておいた方がよいことがたくさんあります。私は栄養士を目指す学生にこの食品学も教えていますが、人気の高い学問です。生活に役立つ情報を得るといった意味でも、最新の情報を取得することが大切です。

管理栄養士・川端理香