気温が高くなってきました。湿度が高い日もあり、体が重いと感じる日もでる時期です。普段から発汗が多いアスリートは別として、これまでトレーニングをしていてもそれほど汗をかかなかったアスリートの場合、ミネラルなどの損失量が多い時期とも言われています。

汗をたくさんかくようになると、アスリートの中で水分や塩分の意識が高まります。しかし、それ以外の栄養素への意識はどうでしょうか。

汗に含まれるミネラルの多くはナトリウムですが、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄なども含まれています。カルシウムや鉄は、普段から多くとるように意識しているアスリートも多いと思いますが、発汗が多ければさらにたくさんの量をとる必要があり、しっかり補えなければ疲労などの原因になります。

6月はずっと体調が悪かったアスリートの例

実際に、栄養カウンセリングをしている時に「6月はいつも調子が悪いんです」というアスリートがいました。「もうずっとそうなので、6月はそんなものかと思っている」とのことで、発汗で失われる栄養素について話をすると、それらも意識しているとのことでした。

最初は、自律神経のことを含めて食事のアドバイスをしましたが、食事の写真を送ってもらううちに、あることに気付きました。発汗で失われるミネラルについて「本人は意識している」と言っていましたが、とり方にばらつきがありました。実際の気温や湿度と比較してみると、発汗量が多いと思われる日に食欲が落ちるからなのか、十分に摂取できていないことが分かりました。

これはアスリートの食事サポートをしていてよくあることなのですが、本人が意識していても、環境などによって肝心なときに摂取できていないことがあるのです。この後、このアスリートは食事を変えて、苦手だった6月を克服することが出来ました。

知っている、やっていると思っても実際は…

皆さんの中にも「発汗のミネラルのことはもう知っているよ!」という方はいると思います。しかし、必要な量を摂れていないこともあるので、一度食事を見直して欲しいと思います。

今回紹介するのは「厚揚げのチーズ焼き 夏野菜ドレッシング」です。大豆加工品の厚揚げからは、発汗で必要なミネラル、カルシウムやマグネシウムが摂れます。ぜひお試しください。チーズでカルシウムをプラス。トマトやキュウリ、ワカメなどと一緒に、さっぱりと召し上がりください。

管理栄養士・川端理香