毎年、新年度の慌ただしさが少し落ち着く頃から、便秘に悩む選手が増えるように思います。新しい生活に慣れ、心身ともに疲労が出る頃です。

便秘は、様々な要因から引き起こされると言われますが、代表的なものとしては、ストレス、食物繊維不足、腸内細菌、タンパク質の摂取過剰が挙げられます。

しかし、選手たちは、
「ヨーグルトを毎日摂っているのに」
「ダイエットなど、何らかの理由で食事量が少なくなったこともないのに」
「野菜や海藻類などの食物繊維もしっかりと摂っているのに」
と訴えてきます。

また、「足がつりやすい」と言う選手も増えてきます。
「筋肉の収縮に関わるとされる、カルシウムをはじめとするミネラル補給は意識している」
「食事のバランスも意識して、ストレッチも温冷交代浴なども念入りにしている」
と訴えます。

水分補給はパフォーマンスアップや疲労回復に関与

便秘や足つりの原因は様々で、食事だけではありませんが、「水分補給」がうまくいっていないことに関係していることも多々あります。

水分補給が、パフォーマンスアップや疲労回復、食欲増進に関与していることは皆さん理解し、意識していると思います。親世代の頃より理解が進んだとはいえ、学校内のルールの下で生活をするジュニアアスリートには、その中でできる具体的な方法を、理由とともに指南してあげましょう。

ジュニアアスリートが実施しやすい水分補給の量とタイミング

朝起きたら コップ1杯の水を飲もう(寝ている間にもたくさん水分が失われている。朝のスイッチが入る)
5度~15度の温度が最も吸収されやすい(夏は特に、大きい水筒を持参するといい)
休み時間には、のどが渇いていなくてもコップ1杯の水分を摂ろう(水分は急には吸収できないので、運動前だけでなく、午前中からトレーニングの準備をしておこう)

「のどが渇いた」と気付いたときは遅いことも

「のどが渇いた」と意識したタイミングでの水分補給ではすでに遅く、体水分量が不足する可能性が高くなります。また、20分おきに200mlを飲もうとよく言われますが、学校生活の中では実行しづらいのも事実です。

また、ジュニアアスリートの普段の生活では、スポーツドリンクを常飲する必要はありません。気温、発汗量や運動量が増える時期になったら、上手に活用してください。

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