野菜は意識して食べている方が多いと思いますが、果物はどうでしょうか。なぜ、果物を食べた方がいいのでしょうか。

種類にもよりますが、果物には糖質はもちろん、ビタミンC・B群・Eなどのビタミン、カリウム・マグネシウム・鉄などのミネラル、食物繊維など、一般の方よりもアスリートが多く必要であり、特に摂りたい栄養素が含まれています。例えば、バナナは消化もよく、運動前・中・後のエネルギー補給としても向いていますし、持ち運びも簡単で万能です。

果物離れが顕著、特に若年層

しかし、果物を食べる量は減少しており、国民健康栄養調査では、女性より男性の方が、高齢者より若年層(特に20~30代)の方が少ないことが分かっています。現在、全ての年代において、その目標量に達していない状況です。

果物店を営むお客様に聞いても、昨今の「フルーツ離れ」が顕著なようです。近年、そのまま食することができる便利な食品が増えたため、皮を向いたり、カットしたりするフルーツを食べない家庭が増え、「カットフルーツの方が売れる」とも言っていました。

果物はビタミン、ミネラルなどの大切な供給源です。健康な食生活を送る上で重要な位置にあり、厚生労働省が推進する健康作り運動「健康日本21」では、1日200g以上食べる ことを目標にしています。

野菜350g(そのうち緑黄色野菜120g)、果物200gという推奨量には科学的根拠があります。野菜については国民健康栄養調査のデータをもとに、野菜をどれだけ食べればカルシウム・カリウム・ビタミンC・食物繊維等の栄養素を十分に確保できるか解析を行った結果、350gという数字が出されました。その中で緑黄色野菜は重要なカルシウム源になることから120gという目安量が出されています。同じく、果物も健康増進の観点から1日200gの摂取を推進しています。

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