冷たいご飯では消化酵素働かず

さて、夏の子どもたちのお弁当は食中毒予防の観点から、保冷剤を入れたクーラーボックスの中で冷やされ、ご飯は粘りを失い、甘みを感じないものになっていませんか?

食べたものを消化吸収してくれるのは、消化酵素です。口の中の唾液や胃から出る胃液、すい臓から出るすい液など、消化器官から分泌される消化酵素は、分解を繰り返して吸収できる大きさまで、食材を細かな分子にします。食べた食材の温度が低いと、この酵素自体が活発に働くことができないこともあります。

そこで活躍するのが、みそ汁などの温かい飲み物。食べたものの温度を上げ、消化吸収を助けてくれます。

昔から「御御御付け(おみおつけ)」とはよく言ったもので、丁寧語の「御」を何重にも付けられるほど、みそ汁は大切な料理として扱われました。温かいみそ汁を飲むことは、昔ながらの日本の文化で、飲むには理由があったのですね。スポーツ選手の基本となる食事としてぜひ習慣にしたいものです。

今回紹介するレシピは「みそ玉」です。

みそ玉はたくさん作って冷凍しておくと便利です。忙しい朝や家族の食事時間がバラバラな時も、湯を注げば1食分が簡単に作れます。

お弁当に持たせる場合は、スープジャーに熱湯だけ入れておき、食べるときにポンと入れるだけ。市販のインスタントみそ汁よりも、塩分調整ができるので保護者も安心です。

みその種類はさまざまですから、みそ玉も色々楽しめます。入れる具もお好みでアレンジして楽しんで作って下さい。

管理栄養士・古池久美子