前回のコラムでは、チアダンスが脳疲労・不眠状態・メンタル状態の改善につながることをお伝えしました。今回はその理由についてお伝えします。

チア特有の「共創」、周囲との一体感

皆さんもご存知のように、スポーツは身体を活性化し、様々な健康上のメリットを生むことはよく知られています。また、「笑顔」「仲間」「踊る」「音楽」「前向きな気持ち」という要素も、それぞれストレスホルモン「コルチゾール」の値を下げ、ポジティブなホルモンを増やすという報告は数多く存在します。

チアには「笑顔」「仲間」「踊る」「音楽」「前向きな気持ち」がすべてあります。現在、チアが心身に与える影響について、九州大学大学院で研究している太刀山美樹さん(MIKI・ファニット代表/日本健康指導士会・福岡県理事)は「本来、スポーツは相手と対戦しますが、チアは周りの人との共創があります。チアは誰かを応援するスポーツでありますが、その応援する人(チアリーダー)を見て感動する人もいます。それが、心身の健康につながっているのではないでしょうか」とも加えました。

ポーズを決めるチアリーダー。「仲間と一緒」が心の健康につながるという(提供=一般社団法人チアファミリー)
ポーズを決めるチアリーダー。「仲間と一緒」が心の健康につながるという(提供=一般社団法人チアファミリー)

また、チアダンスをすることで「一体感を感じやすい」ことも心身の健康に役立っているといいます。確かに肩を組んでラインダンスをしたり、同じ動きをしたり、フォーメーションを揃えたりと、チームワークが大切なスポーツです。みんなで踊るから楽しくて笑顔になれるし、前向きな言葉も発せられる…チアリーダーたちからあふれ出るエネルギーは、ポジティブ要素のそろったチアダンスの特性にあるのだと思います。

今回紹介するチアアップレシピは「梅おろし☆チアそうめん」です。

梅干しは味覚を刺激して食欲アップに役立ちます。大根おろしには、消化吸収を促すジアスターゼが含まれ、大葉には抗酸化作用抜群のビタミンAがたっぷり。疲れていても食べやすい麺類ですので、夏バテ予防にぴったりなメニューです。

次回は、心理的ウェルビーイングの観点からチアダンスを見ていきます。お楽しみに。

元NFLチアリーダー・松崎美奈子