「間食」と「補食」。同じように使われる言葉ですが、意味が異なります。まずは定義を整理しましょう。

間食はその字のごとく「食事と食事の間に食べる物」。補食は「補う食事」、つまり不足した栄養を補う食べ物です。ちなみに、おやつは「八つ時(やつどき=現代の午後3時頃)」に食べる間食のことです。

成長期の子どもやアスリートの場合

成長期の子どもやアスリートが必要なのは、間食というより補食です。幼児の場合、体の大きさの割に必要なエネルギーや栄養が多く、3度の食事で摂り切れない分を食間に摂って補う必要があります。

食べるものも、成長に必要なエネルギーやタンパク質をしっかり摂る必要があるため、1日に必要なエネルギーの10~20%を食間に摂ることになります(それ以上になると、3食の食事が摂れなくなってしまう)。そのため、焼きそばやおにぎり、チャーハンといった軽食や、ヨーグルトや果汁100%のジュースなどを選ぶといいでしょう。

アスリートは体を作るためや運動時のケガを防ぐため、運動のパフォーマンスを上げる、運動後の疲労を回復するなど、目的によって食べる物やタイミングが異なります。どんなものを食べたら良いかはアスレシピにたくさん紹介されているので、参考にしてください。

その他、食が細くなり、1度にたくさんの量を食べられなくなった高齢者や胃を切除した人、妊婦など、1日に必要なエネルギーを3食では摂りきれない人は間食が必要です。

成長期が終わった運動しない大人の場合

一方で、成長期が終わり、激しい運動をしていない大人にとって3食以外の間食は不必要です。日頃から間食をとっている人はお腹を満たすためではなく、勉強や仕事で疲れた体や心をリフレッシュするためや、人とのコミュニケーションツールにしているのではないでしょうか。あるいは、ご褒美のため、甘いものやスナック菓子など好きなものを食べているのかもしれません。つまり、エネルギー過多になっていることが多いのです。

痩せたい人、太りたくない人は、間食を控えた方がいいのは周知の事実です。間食にとることが多い「甘いもの」や「脂質の多いもの」などの高エネルギーの食べ物には、繰り返し食べたくなる「習慣性」があります。この習慣を断ち切るのは難しいものの、食べるものを低エネルギーのものに変える、量を減らす、食べる回数を減らすことはできるのではないでしょうか。

例えば、焼き芋なら素材のエネルギーのみで、砂糖や油は添加されていません。アイスクリームの代わりに凍らせたヨーグルト、噛みごたえのある食塩無添加の小袋のナッツなどに変えるのはいかがでしょうか。どうせ食べるなら間食も、体に良いものを食べたいですね。

【管理栄養士・今井久美】