以前もお話ししましたが、家族のために毎日3食+運動時の補食を準備するのは、本当に大変です。1人暮らしをしている方は、忙しかったり疲れたりすると手を抜いてしまいがちで、3食整えることが難しいときもあります。

コロナ禍での在宅期間中、料理やお菓子作りに目覚めて腕を上げ、自信を持った人も多いでしょう。しかし、在宅期間が終わってその時間が取れなくなった時、どの程度なら自炊に時間が割けるのかを考え、何を継続していくのか優先順位をつけましょう。

簡単に続けられそうなものをルーティンに

例えば、毎朝15分で弁当を作る、朝食に果物を食べる、水筒のお茶を自分で準備して持参する、補食は自分で作る(購入する)など、簡単に続けられそうなものを優先しましょう。

食生活もルーティンが確立されると、継続が簡単になります。行動を変えて半年継続できれば、習慣化され、そのまま継続できる可能性が高まります。

良い習慣も悪い習慣も、最初にハードルを上げてしまうとドロップアウトしてしまうので、「70点」を目標として、変えたい行動を紙に書き出し、目標を明確にしましょう。この時、この行動を継続すると得られるメリット(なりたい自分)をイメージしておくことが大切です。

できなかった時は次の食事で調整

健康な体はホメオスターシス(恒常性)が備わっているので、多少異常があっても一定に保とうとする力が備わっています。体ができあがっていない子どもや機能が低下してきた高齢者、糖尿病など病気を患っている人は、この恒常性保つことが難しく、少しの異常でも体に変化をきたし、体調を崩す原因になります。

つまり、日頃健康を維持できている人は、1食、1日ぐらい食生活が乱れたことがあっても、体調不良になることはないでしょう。そう思い、疲れた時は手を抜いて、また次の食事から調整すればいいのです。ただ、「1食ぐらい…」が続いてしまうと意味がないので、1日の中、1週間の中で調整するようにしましょう。

継続は力なり。毎食100点の食事を目指して続かないよりも、70点でもやっていくうちにスキルアップし、効率的に食事の準備ができるようになります。そしてさらに上を目指す人が多いことも事実です。食事を変えたいと思っている人、今ですよ、変えるのは!

【管理栄養士・今井久美】