緊急事態宣言が解除され、学校生活が再開したものの、なかなか通学のリズムに戻れず、悩んでいる人も多いと思います。

生体リズムは、元々1日24時間より長いサイクルを刻んでおり、夜更かしにはすぐに慣れるものの、早起きには合わせにくくなっているのです。週末だけ夜更かししても月曜日の早起きが辛いのに、長期間、夜型生活をして体内リズムがまるっきり夜型になってしまった人は、リズムを朝型に戻すのに時間がかかります。

中枢時計と抹消時計がずれると…

そこで、生体リズムを早くリセットするための方法と食事について紹介します。

脳にある視交叉上核(ししょうこうさじょうかく)は中枢時計が、各臓器や末梢組織は末梢時計がリズムを刻んでいます。中枢時計は、朝に日光を浴びることで光が目から入り、視交叉上核が刺激を受けてリセットされることはよく知られています。

末梢時計は体中の各組織に存在し、ホルモンや神経伝達物質など生理伝達物質を分泌させ、体温を上げるなどして体を働かせています。末梢時計は、中枢時計によって時刻調整されていますが、食事を摂ることや体を動かすことにも影響を受け、食事や運動のタイミングでリズムを整えます。

しかし、中枢時計と異なったタイミングで食事を摂るなど、中枢時計と末梢時計が異なったリズムの生活をすると体調不良になります。つまり、起床時に朝日を浴びるだけでなく、食事を決まった時間に食べることも、生体リズムを整えるには重要なのです。

夜はテレビやスマホで明るい光を見ないこと
朝は決まった時間に起き、朝日を浴びてから朝食を摂ること
睡眠時に低下している体温や血糖値を上げるために、朝食にはタンパク質と炭水化物を摂ること

これらを意識して行うことで、リズムを早く戻すことができます。数日間は早起きもつらく、朝に食欲がないかもしれませんが、そんな時こそ積極的に朝食を食べることが重要なのです。

【管理栄養士・今井久美】

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