<栄養素を無駄なく摂る食べ方:豆類編>

ささげはアフリカ原産で古くから栽培され、日本へは9世紀頃中国から伝わったようです。さやが物を捧げるように上を向いていることから、「ささげ」と名が付いたという説があります。若さやを食べるほか、種子を乾燥させて食用にします。

種子の形は小豆状や大型の扁平などさまざまあり、色は赤、白、褐色、黒、まだらと多様ですが、日本では小豆に似ているものがなじみ深いですね。小豆との見分け方は、全体にふっくらとして、へそが直線状のものが小豆、ささげはへその部分が少しくぼみ、形状は楕円形で黒い縁取りがあります。

関東地方では赤飯にささげを用いますが、これは煮ると皮が破れやすい小豆を武家社会が嫌ったためと言われます。

粒にシワやひび割れがなく、ふっくらとして表面にツヤがあり、大きさが揃っているものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
主成分は炭水化物で、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、食物繊維、カリウム、ポリフェノール、コリンが含まれています。

ビタミンB1は炭水化物の代謝を促進するとともに、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。ビタミンB2も同じく、皮膚や粘膜の保護に役立ちます。葉酸は赤血球の形成を助け、食物繊維は整腸作用があり、腸内の老廃物やコレステロールなどを排出する働きがあります。カリウムは体内のナトリウム濃度を調整し、血圧を正常に保つ働きがあります。

赤褐色はポリフェノールで、抗酸化作用があります。コリンは神経伝達物質の前駆体で、記憶力の向上、コレステロールの減少、血管拡張効果があります。

期待される健康効果は、疲労回復、スタミナ増進、口内炎の改善、生活習慣病の予防、ガン予防、便秘の改善などです。

保存するなら
密封して冷暗所で保存します。長期保存が可能ですが、古くなると煮るのに時間がかかり、芯が残ることもあります。おいしくいただくためには1年くらいのうちに使用した方が良いでしょう。ゆでて水けをきり、保存用袋に入れて冷凍しておくと1カ月ほど保存できます。

炭水化物とビタミンB1は、運動前にぜひ摂ってほしい栄養素です。赤飯だけではなく、煮物、炒め物、サラダなどにちょい足しして利用してはいかがでしょうか。

【管理栄養士・高木小雪】