ペットボトルではうまく入らない

大規模災害の発生などで断水して避難生活が長引くと、いずれは備えておいた水だけでは足りなくなる時がきます。そうなると給水車や応急給水拠点に水をもらいに行くことになりますが、いくつか注意しておきたいことがあります。

災害時は、多くの人に効率よく給水を行うことが大前提です。給水車から自宅までの持ち運び、自宅での使い勝手なども考慮しなくてはなりません。

今泉さんが横浜市水道局協力のもとで実験したところ、給水車の蛇口は口径が一般的な500mlペットボトルの飲み口と同じで、ペットボトルへの給水は水がもれて時間がかかりました。じょうごを使ったり、もれないように水の勢いを弱めると余計に時間がかかり、入れる人も順番を待つ人もストレスになったそうです。

一方、口径が大きい容器を使うと短時間で満タンにでき、スムーズに給水ができました。持ち運びや家庭での使用を考えると、密栓できる容器だと使い勝手がよいこともわかりました。

そのことから、以下のような容器が望ましいと言えそうです。

一般的な500mlペットボトルの飲み口がスポッと入る口径で、密栓できるもの
折りたためて保管場所を取らないもの
持ち運びしやすく、使用時に扱いやすいもの

給水袋もさまざまな種類がある。折りたためるもの(左)と蛇腹式
給水袋もさまざまな種類がある。折りたためるもの(左)と蛇腹式

スーパーなどの無料水用の容器や、4リットルの焼酎容器(よく洗って使用)は取っ手があるので持ち運びしやすい
スーパーなどの無料水用の容器や、4リットルの焼酎容器(よく洗って使用)は取っ手があるので持ち運びしやすい

運ぶ際には手で持つよりも、背負ったほうが楽に持ち運びできます。背負えるタイプの給水袋もありますが、手持ちのリュックも活用できます。

10リットルポリタンクも、リュックに入れれば持ち運びできる
10リットルポリタンクも、リュックに入れれば持ち運びできる

上記のような容器の備えがない場合は、バケツなどに大きなポリ袋をかけて給水する方法もあります。口をしっかり結べば、段ボールやリュックなどで運ぶことができます。しかし、使う時はひしゃくなどが必要ですし、衛生管理が難しいなどの課題もあります。

災害時は手元にあるもので工夫することが重要ですが、何を使うにしても清潔な容器であること。また、水をもらいに行くときは手ぶらでいかないことが大切です。自分の家ではどんな形なら使用しやすいかを考え、準備をしておきましょう。

災害時給水拠点もチェック

道路が寸断されると、給水車が近くまで来られないことも起こります。自宅近くに災害時の給水拠点がないかチェックしておきましょう(地域によって呼称が異なるため、お住まいの地域で確認してください)。

もらった水は、時間が経つと細菌が繁殖しやすくなります。直射日光の当たらない涼しい場所で保管し、飲用できる期間は冬場で1週間、夏場で3日程度が目安。飲料水として利用できなくなったら、生活用水として有効に活用しましょう。

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