<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

マイタケは、シメジに並んでうま味の多いキノコです。天然物は9月下旬~10月上旬に収穫されますが、希少なため、一般に流通しているのは菌床で栽培されたものが主流です。

傘の色が濃い茶褐色で、肉厚なものを選びましょう。軸が白く張りがあり、固いものが新鮮です。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
他のキノコ類と同様に100gあたり15kcalと低エネルギーで、ビタミンB1、B2、ナイアシンが豊富です。キノコ類の中ではビタミンDの前駆体であるエルゴステロールが多く、乾燥させるとさらに多くなります。

食物繊維の一種であるβグルカンが豊富に含まれ、整腸作用があります。βグルカンの中の、マイタケDフラクション(MDフラクション)には免疫を活性化させる作用があり、抗ガン作用、抗菌作用があるといわれています。最近では、インフルエンザやノロウイルスにも有効であることが報告されています。

味にくせがなく、シャキシャキした歯ごたえが特徴。風味を損なわないよう水洗いせず、ふきんで汚れをふき取ってから使用します。加熱し過ぎると歯ごたえがなくなるため、注意しましょう。

うま味成分は水溶性のため、煮込んだ場合は煮汁も一緒に食べた方がおいしく食べられます。ただし煮汁に色が出るため、見た目や味付けには配慮しましょう。ビタミンDは脂溶性のため、炒め物や天ぷらなど油を使った料理の方が吸収率が高まります。

保存するなら
保存はパックのまま、冷蔵庫の野菜室で保存します。古くなるとじっとりと水っぽくなるため、2~3日で食べきりましょう。

食べきれない場合は、小分けしてポリ袋に入れ、生のまま冷凍できます。調理する時は凍ったまま使用した方が、風味や食感が残ります。

【管理栄養士・今井久美】