カリウムもミネラルの一種で、細胞内液に多く、ナトリウムと共に浸透圧を調節しています。

 ナトリウムの尿中排泄を促す働きがあるため、ナトリウムの摂取量の多い日本人は、しっかり摂りたい栄養素です。カリウムの摂取量を増やすことで、血圧低下、脳卒中予防につながることが報告されています。

 カリウムは野菜、イモ、果物、豆類に多く含まれていますが、水溶性のため、加工や調理によって含有量が減少します。また、下痢や多量の発汗によっても損失量が増え、不足することがあります。

 神経や筋肉の興奮伝導にも関与しており、不足すると、運動時に足がつる、筋肉のけいれんを起こす原因にもなります。そうならないために、日頃から野菜や果物を十分に食べることが大切です。運動で発汗量が多い時には、カリウムを補うことで予防することができます。

 運動時のカリウム補給には、バナナやミカンが食べやすいでしょう。ドライフルーツであれば保存もでき、プルーン、レーズン、イチジク、マンゴーなど一口サイズのものもあるので、利用しやすいですね。

 スポーツドリンクにもカリウムが含まれているので手軽に摂れますが、糖分も含まれているため、糖質の代謝に必要なビタミンB1も一緒に摂りましょう(ビタミンB1はスポーツドリンクには含まれていません)。  

 腎臓病など腎機能が低下した人は、カリウムの尿中排泄量が減少し、高カリウム血症になる可能性があるため、積極摂取は避けましょう。

【管理栄養士・今井久美】

参考:日本人の食事摂取基準2015年度版