ナトリウムは、細胞外液(細胞の外に存在する水分のこと)の主なミネラル。水に溶けた状態では陽イオン(Na+)として細胞外液量を維持しており、浸透圧、酸・塩基平衡の調節にも重要な役割を果たしています。また胆汁、膵液、腸液などの材料でもあり、消化、吸収にも関与しています。

 ナトリウムは食塩の構成成分として食事や飲料から摂取され、皮膚、便、尿から排泄されます。

 不足すると、体内のナトリウム濃度を一定に保とうとするために、水分を排泄して脱水になり、命に関わることもあります。一方、過剰の場合、水分を取り込むために高血圧の発症リスクが上がります。胃がんのリスクを高めるという報告もあります。

適切な必要量は?

 それでは、適切な必要量はどれくらいなのでしょうか? 

 身体機能のために必要な最低限のナトリウム量について、世界保健機構(WHO)のガイドラインには、1日200~500mgが推定されると記載されています。

 食塩量に換算すると、1日わずか0.5~1.3g。これに対し、平成28年国民健康・栄養調査の結果では、日本人の成人食塩摂取量の平均は1日9.9g(男性10.8g、女性9.2g)もあるので、不足よりも、過剰にならないよう気をつけた方が良さそうですね。

出典:生活習慣病予防のための食べ方ナビゲーション たべナビ君 吉池信男、玉川ゆかり、中神聡子共著(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)

 味の好みは、子どもの頃に食べた味付けがベースになるといわれています。味付けは薄味にし、麺類の汁は全部飲まないようにする、調味料やドレッシングはかけ過ぎないようにする、食塩を多く含む食品は食べる量を少量にするなど、日頃から食塩を摂りすぎないよう心がけましょう。

 運動時のナトリウム摂取については「運動中の水分量、どのくらい必要なの?」を参考にして下さい。

【管理栄養士・今井久美】

参考:日本人の食事摂取基準2015年度版、厚生労働省 保健指導における学習教材集