暑い時期、熱中症のニュースが多くなりますが、スポーツをする時にはどれくらいの量の水が必要なのでしょうか?

 ヒトの構成成分は水が最も多く、生後半年未満では約80%、1歳で70%、成人で60~65%、高齢者で50~55%と加齢とともに減っていきます。大人より子どもの方が、体重あたりの水が多く必要です。

 汗をかき、体重の2~3%の水分を損失すると、運動機能や体温調節機能が低下します。運動を持続するためには、運動前後だけでなく、運動中に水を補給することが必要です。

 水分補給の目安としては、運動前に250~500mlを。運動中は、運動時間が1時間以内の場合は500~1000ml、1時間以上では、1時間あたり500~1000mlの水を補給することが推奨されています。

雑学水分量

 発汗量にもよりますが、運動前と比べ、終了後の体重減少分が2%未満になるように、水分を補給しましょう。例えば体重が50キロの場合、体重の2%は1キロなので、49キロ以下にならないように飲水するのが目安です。夏場は発汗量が増えるため、必要な水分量も増えます。水筒を大きいものに変えたり、複数個準備すると良いですね。

 汗によりナトリウムも失います。その損失を補うには、食塩濃度0.1~0.2%の水分が適しています。特に1時間以上の運動をする場合は、食塩にプラスして、4~8%程度の糖質を含んだものが、疲労の予防だけでなく、水分補給にも効果があります。

 温度は5~15度。15~20分おきに、1回200~250mlの水を飲むことをおすすめします。【管理栄養士・今井久美】

※参照:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(日本体育協会)