トルコアイスが溶けにくいのは

今では溶けにくいアイスも開発されています。いろんな方法がありますが、基本的に粘度(粘り気)を上げて、氷の結晶が溶け出しても、気泡や乳脂肪の骨格を崩れにくいものにしています。独特なパフォーマンスでも有名なトルコアイスもその1つです。

溶けにくいアイスクリームのために、食品加工業界では、以下のものが使われています。

食品添加物(グアーガム、硫酸カルシウムなど)
増粘剤によってアイスの液体の流動性を低くし、溶けにくくしています。

いちごエキス
いちごに含まれるポリフェノールが、乳脂肪の水分や気泡を取り囲む性質があると考えられています。脂肪球に囲まれた氷になり、氷が溶けても水が溶け出してこないため、アイスの形が保たれます。

でんぷんの糊化(米粉、くずなど)
米粉などのでんぷんは、アミロペクチンなどの糊状の成分が含まれています。アミロペクチンは枝分かれ構造をしていて、その間に水分が入ることで糊状の粘りがでるため、アイスの水分が漏れ出しにくくなります。同じでんぷん系として葛を使ったアイスもあり、同じように糊化することで、アイスの水分をゲル中に保持して溶けにくくしています。

トルコアイスに使われるのも同じでんぷん系。高山で採れるサレップという材料が使われています。トルコは地中海の北東に位置した気温の高い国。サレップを混ぜて粘度を上げることで溶けにくく改良したと考えられています。

納豆のぬめり
納豆のぬめりに含まれるタンパク質が、乳脂肪と気泡をくっつけて安定化させる作用を持っています。一時期、「納豆のパックにアイスを入れて混ぜるとトルコアイス風になる」いうものが話題になりましたが、まさに粘りの科学。ぜひご自宅で試してみるのはどうでしょうか。