地球温暖化とはいえ、厳しい冷え込みが続いていますね。真夏の調理もしんどいですが、真冬も冷たい水を使わないといけないこともあり、できれば台所での作業は夏と同様、手早く済ませたいですよね。そのため、加工食品を上手に組み合わせている方もいることでしょう。

手早くタンパク質を摂取できる加工食品の1つに、大豆を原料とする納豆があります。大豆のアレルギー検査が陰性(アレルギーではない)だったとしても、納豆でアレルギー症状が出ることがあることをご存知ですか?

「納豆アレルギー」の原因の1つに、ポリガンマグルタミン酸(PGA)というネバネバ成分が挙げられます。主な特徴を下記にまとめました。

納豆アレルギーの主な特徴

(1)症状が出るのが遅い(おおよそ5~14時間後に症状が出現)
(2)皮膚症状、呼吸器症状などの症状が出て、アナフィラキシーに進展することもある
(3)大豆、大豆食品のアレルギー検査では陰性の人がほとんど
(4)保湿、保水作用の観点から化粧品や食品添加物に含まれていることもある
(5)サーフィンなどマリンスポーツをしている人や海女に多い

注目すべきは(5)。海でクラゲに刺されたことのある人は、納豆アレルギーを発症することが比較的多いといわれています(クラゲに刺されると、必ずしも納豆アレルギーを発症するわけではありません)。

クラゲには刺胞という毒針を発射する細胞を持ち、その内部にPGAを含んでいます。人がクラゲに刺されるとそのPGAが体内に入り、複数回刺されているうちにPGAに対して抗体ができ、アレルギーを発症するようになります。一見、関係ないように思われる「クラゲ」と「納豆」ですが、PGAという納豆ネバネバ成分でつながっているのです。

納豆アレルギーは症状が出るまでが遅いため、食べてから数時間後にいつもと異なる皮膚や呼吸器症状が出ても見過ごしてしまいがちです。放置しておくと後に著しく体調不良に陥ることがあるので、怪しいと感じた場合は、医療機関を受診して確認しましょう。

今回紹介するのは「米粉のニンジンケーキ」です。ニンジンには抗酸化作用の強いβカロテン、腸内環境を整える食物繊維が含まれています。料理で使うニンジンが余ってしまった時は、お菓子作りに活用するのもお勧めです。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子