4月に新生活を迎え、お祝いごとでごちそうをいただくこともあるかと思います。春のお祝いといえば、桃の節句や端午の節句を含め、ちらし寿司、お寿司、お刺身など生魚を食べる機会が増えることでしょう。そのような時に気をつけたいのは「アニサキスアレルギー」です。

主に生魚に寄生、激しい腹痛、嘔吐など

アニサキスとは、寄生虫の幼虫のこと。これらがサバ、マグロ、カツオ、マス、アジ、タラ、イカなどの内臓や筋肉に寄生します。寄生された生鮮魚介類(加工品含む)を食べてアニサキスに胃や腸の組織を刺激され、激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状、皮膚症状、呼吸器症状などが出てくる疾患をアニサキスアレルギーと言います。

アニサキスが混入しているケースは生鮮魚介類だけに限らず、なめろう、塩辛、干物などの加熱料理、加工食品にもあるといわれています。加熱した魚介料理や食品であれば、症状が出ない方もいれば、出る方もいます。ただ、どのような方が加熱した(魚介系)食品の摂取で症状が出るかは研究中のため、傾向はまだ分かっていないようです。

鮮度の良いもの、十分な加熱・冷凍

予防するには鮮度の良い魚を選び、1匹購入した際はすぐに内臓を取り除くこと。加熱する際は70度、または60℃以上で1分以上、十分に加熱することを心がけましょう。マイナス20℃で24時間以上、魚の中心部まで冷凍(凍結)するのも1つの予防策です。

また、強いストレスや疲労の蓄積もアレルギー症状を高めると言われているので、日頃から心身ともに自身の健康管理をしておくことも大切なポイントです。魚介類を食べて、激しい腹痛、吐き気、嘔吐など体調が優れない場合には、早めに医療機関を受診することをお勧めします。なお、魚介アレルギーとは異なりますので、混同しないように気をつけましょう。

今回紹介するのは、春の華やかなお祝いにもふさわしい「雑穀米のコーンクリームリゾット」です。春の花を感じさせる色とりどりの野菜を入れ、華やかな気分になる一品です。

トウモロコシにはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1、脂質代謝に欠かせないビタミンB2、抗酸化作用の高いビタミンE、腸内環境改善に欠かせない食物繊維など数多くの栄養素が含まれています。

アレルギー症状緩和に大切な腸内環境改善を目的に、精白米に雑穀を足しています。使用したのは、市販のゴマ不使用の雑穀ミックスです。

「○○穀米ごはん」という商品が数多く出ていますが、中には小麦アレルギー、ゴマアレルギー、大豆アレルギーなどの方が注意しなければならない食品が入っていることもあります。食物アレルギーの方が購入する際は原材料を確認し、十分注意しましょう。アレルゲンが心配な場合には、お好みの雑穀を単品で購入すると良いでしょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子