タマネギや長ネギでもアレルギー症状が出ること、ご存じでしょうか。「生のタマネギは苦手だけれど、カレーやシチューなどに入っていれば食べられる」という嗜好の話は聞いたことがあっても、アレルギーに関する話を聞いた方は少ないと思います。

実は、タマネギや長ネギでアレルギー症状が出る人もいます。長ネギについては、日本食では薬味を含めてよく使用される食品の1つのため、振り返ってみると「体質に合わなかったかもしれない」と思い出す方もいるかもしれませんね。

主な原因は「辛味成分」と「アリシン」

ネギアレルギーの場合、鼻水や喉がイガイガするなどの粘膜症状、皮膚症状、吐き気、頭痛などの症状が出てくることがあるといわれています。原因は主に2つあり、1つは生のタマネギに含まれる「硫化プロピル」という物質で、辛味成分です。

もう1つは、「ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)」という物質です。ツンとした臭いを感じるニンニク臭を構成する成分の1つで、ニンニクやネギなどネギ科の植物の細胞が傷つけられ、壊れると「アリシン」という成分が分解されて出てきます。ネギを切るときにできる物質ともいえます。

ちなみに硫化アリルは、ラッキョウやニラなどにも含まれており、これらの食品でアレルギー症状が出ることもあります。筆者の私も、島ラッキョウ(自家製)を食べて喉がビリビリした経験がありますが、タマネギに含まれる硫化アリルは、ラッキョウやニラに含まれる成分とは異なります。タマネギアレルギーの方が全員、ラッキョウやニラなどを食べられないということではありません。

また、「果実アレルギーのコラム」でもお伝えしたように、ネギアレルギーでも生のネギでは症状が出るものの、加熱したら症状が出ないという方がいれば、加熱しても症状が出る方もいます。「ネギアレルギー」は聞き慣れないため、好き嫌いと勘違いされるケースが少なくはないと思いますので、身近にネギで体調を崩す方がいる場合は、しっかりと状況を聞いていただきたいと思います。

なお、生の果実や野菜に含まれているアレルゲンは、消化管内で酵素によって速やかに分解されるため、全身反応はまれであるとされているものの、症状が落ち着かない場合や症状が進行していく場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

調理する時の注意事項、触れる時間短く

ネギアレルギーの方であっても、ネギを調理しなければいけない時もあるでしょう。その時の注意点としては、硫化プロピルの気化を防ぐため、できる限り冷蔵庫で貯蔵し、切るときはフードプロセッサーやスライサーを使用するなど、生のネギに触れる時間を短縮させることです。

うどんやそばに入っているネギを間違って口にした時は、症状が軽度の方はすぐに口をすすぐと幾分、症状が落ち着くこともありますので、試してみる価値はあります。実際に筆者も生のネギを口にすると体調を崩すため、これらのことを行うこともあります。

タマネギは栄養素豊かで、効能について研究されている先生も多くいますが、アレルギー症状が出る方がいるということも覚えておいてください。

今回紹介するのは、「タマネギ不使用のアレルギー対応ピザ」です。ピザは見方を変えると、野菜やタンパク質源を同時に摂取できる栄養バランスを意識した料理の1つともいえます。近年は乳不使用のチーズが増えてきたことで、乳アレルギーの方も以前より手軽に購入できるようになりました。今回も乳不使用のチーズを使い、タマネギも入れていません。

乳不使用のチーズ、米粉のピザ生地

トッピングに使用するブロッコリースプラウトは、食物繊維や抗酸化成分のグルタチオンが豊富に含まれています。カイワレ大根に比べると苦味が少ないため、食べやすく感じる方も多いでしょう。ピザ生地は、米粉のピザシートを使用しています。

補食なのか食事なのか、ピザを食べるシーンによってもトッピング食材が変わってくると思います。目的に合わせ、彩り豊かになるようにアレンジしてみてください。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子