外で過ごすのに心地良い季節となりました。5月に入ると紫外線も増え、日焼け、シミ・ソバカス対策で日焼け止めクリームをこまめに塗り、屋内でできるだけ過ごすように心がけている方もいることと思います。

屋内で過ごすことが多く、さらに魚、卵、キノコが苦手な方が不足していないか、気になる栄養素があります。それは「ビタミンD」です。

魚、卵、キノコなどに多く含まれる

ビタミンDはカルシウム代謝に重要なビタミンで、骨形成のために必要です。近年の研究では骨格筋の機能調節としても働くことが分かり、筋力低下を防ぐ際にも重要なビタミンということが明らかになりました。

日本人のビタミンDの摂取源の大半は魚で、次に卵やキノコと続きます。これらの食品を毎日摂り入れて欲しいと思います。

日光の紫外線を浴びると体内で生成

また、ビタミンの中でも唯一、日光の紫外線を浴びることで生成できる栄養素です。しかし、現在の日本人は日光に当たらない生活、日焼け止め商品の多様化、魚摂取量の低下により、ビタミンDの栄養状態が低下しています。約30年前と比較して、日本人の母乳中のビタミンDも低下しているとの報告も出ています。

栄養相談を受ける中でも、「ビタミンDが食事以外から生成できるとは知らなかった」という声がある一方、「でも、日焼けが怖い」という話も耳にします。コロナ禍で外出に制限がかかる時期ではありますが、魚などビタミンDを多く含む食品が苦手な方は、周囲の環境をよく見極めた上で屋外でのスポーツや日光浴も取り入れて欲しいと思います。

今回紹介するレシピは「新ジャガイモとスナップエンドウの蒸し焼きオーロラソース添え」です。スナップエンドウはβカロテンやビタミンCを豊富に含み、免疫機能強化にもつながります。蒸し焼きにすることで、野菜の甘みが引き立ち、粗塩だけでもおいしく食べられます。

運動や私生活に制限がかかり、気持ちが暗くなりがちな時は、食事内容も意識してカラフルになるよう心がけたいところ。スナップエンドウの緑とニンジンの赤、ケチャップの入ったオーロラソースで赤みを加えました。

これにキノコなどを足して蒸し焼きにするとビタミンDもプラスになります。ご家庭にある野菜を使って彩りを考えて、お試しください。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子