前回前々回と食物アレルギーを始めとするアレルギー疾患のお友だちについて、理解を深めるコラムを書いてきました。今回も、アレルギーについて理解を深めるお話しをしていきます。

「○○○を食べると下痢や便秘になるから控えている」
「○○○を食べると、どうも体調が悪く、パフォーマンスが落ちてしまう」
「食物アレルギーではないと言われているけれど、○○○を食べると、ぜんそくのようになってしまう」

このように話している方が、周囲にいませんか。このコラムを読んでいる方の中に、思い当たる節のある方がいるかもしれません。

アレルギーがなく、好き嫌いなく何でも食べられる方にとってみたら、「食物アレルギーではないのに、なぜ?」と疑問に思うことと思いますが、このような症状のある方は「食物不耐症」の可能性があるかもしれません。

ある程度の量はとれるが、消化できない

食物アレルギーは免疫系を介する疾患であり、極微量原因食物によって症状が出てきます。一方の食物不耐症は免疫系を介さず、消化器系を介する疾患であり、ある程度の量を摂取できることが多いと言われています。しかし、うまく消化できない食品が原因で体調を崩します。食物不耐症は、食物アレルギーとは全くメカニズムが異なる疾患です。

食物不耐症の原因として、特に多いものは次の通りです。

(1)乳製品
(2)酵母(カンジダ等)
(3)果糖
(4)グルテン(小麦)

これらのほか、一部のハムやソーセージなどに含まれている亜硝酸(発色剤)は、因果関係がはっきりしていないものの、ぜんそくを誘発することがあるという報告もあります。ただし、その体質をもっている方でも、食品によっては食べられることもあるようです。

「食物アレルギーではないのに、同じチーム(クラスメイト)の仲間はなぜ食べないのだろう」という気持ちになった時、このコラムを思い出してください。仲間に対して思いやりの気持ちをもって接すると、本人もうれしく思うでしょう。きっと食事時間をリラックスして過ごせるだけでなく、満足いくパフォーマンスを発揮しやすくなることと思います。

今回紹介するのは、夏の食欲がない時にお勧めの「枝豆と豆乳の冷製スープ」です。枝豆は、タンパク質、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ビタミンB群、葉酸、食物繊維と栄養素が非常に豊かな食品です。食欲ない時にも、疲労回復をサポートしてくれる1品です。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子