前回は、食物アレルギーの方が悩むポイントとそれに対する理解を深める事例についてお話ししましたが、この時期、喘息やアトピー疾患のあるお友だちが「カビ」「ダニ」に敏感になり、その対策が大変だということを耳にしたことはありませんか。アレルギーに縁がない方からみると、神経質に思えるほどかもしれません。では、なぜそんなにもカビ対策を熱心にしているのか、お伝えします。

室内干し、換気不足でカビ発生

梅雨に入ると、長雨による室内干し、換気不足など、カビを発生させやすい条件が揃います。実際に、梅雨特有の高湿度環境とカビは、呼吸器症状や喘息症状、結膜炎などのアレルギー疾患を助長するとも言われています。

食物アレルギーの方は、このような他のアレルギー疾患をもっていることが多く、他の季節以上に念入りに掃除をするのです。日本のアレルギー疾患をもつ小学生の住宅調査では、室内干しや換気不足が室内にカビを発生させやすい状況をつくっている可能性があるという報告もあります。

コロナ対策で改めて、換気は大切だと分かったと思います。しかし今までの習慣で、気温が上がるとついエアコンを長時間つけて温度調整し、窓開け換気を忘れてしまいがちですね。エアコンの温度調整だけだと、高温多湿な夏は調理や(浴室の)温度差などの影響も受けて結露が生じやすく、カビも生えやすい環境になります。掃除や換気を怠ると、カビが付着しやすくなります。室温や周囲の環境などに配慮しながら、窓開け換気も引き続き行いましょう。

以上のことから、アレルギー疾患をもつ方が梅雨時期に掃除に力を入れている理由が分かったのではないでしょうか。以前にも、カビ対策についてコラムでまとめていますので、参考にしてみて下さい。

重曹とクエン酸でカビ対策も

もし、窓枠や壁紙にカビが生えてしまったら、市販のカビ取り剤を使う以外に、重曹とクエン酸を混ぜ合わせたものを使用しても掃除できるようです。1人暮らしを始めたばかりで、「カビ対策を全くやっていなかった!」という方もいることでしょう。現在の部屋がどんな状況か、周りの方にも聞きながら対策をとってみましょう。アレルギーは、内側と外側からの対策が大切です。

今回紹介するのは、食物アレルギーの方とそうでない方が一緒に簡単に調理ができる「貧血に負けない新ジャガのガレット」です。これから部活動も本格的になり、運動量が増えることと思います。ジャガイモには、抗酸化力の高いビタミンCが含まれていますが、でんぷんに覆われているために加熱してもビタミンCが激減することがありません。

青ノリに鉄や葉酸、コツコツ摂取

意外に思われるかもしれませんが、青ノリには貧血対策に大切な葉酸や鉄が含まれています。一度に大量摂取はできなくても、コツコツとり続けることで、鉄や葉酸摂取の底上げにつながります。アレルギー用チーズがある場合には、大さじ3位加えると美味しさが広がります。是非、お試し下さい。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子